『連動性』を高めるためチームとして勝てる選手を補強

昨シーズンは主力選手の相次ぐケガに苦しみ、22勝38敗で西地区7位と悔しい結果に終わった佐賀バルーナーズ。B1昇格2年目としてプレーオフ進出を目指したが、安定したローテーションを組めず力を発揮しきれなかった。ただ、困難な状況の中でも若手の台頭や経験値の積み重ねは、今シーズンへの財産となっている。

2025-26シーズンに向けては、大幅なロスター変更に踏み切り再構築を図った。新加入は阿部諒(サンロッカーズ渋谷)、内尾聡理(ファイティングイーグルス名古屋)、橋本晃佑(ライジングゼファー福岡)、タナー・グローヴス(長崎ヴェルカ)、そして三遠ネオフェニックスで優勝争いを経験したデイビッド・ダジンスキーの5名。既存戦力のジョシュ・ハレルソンやチェイス・フィーラーといった実績ある外国籍選手も残留し、バランスの取れた布陣となった。

チームスタイルは、昨シーズンの強みである堅守速攻を継承しつつ、新戦力の持ち味を活かした多彩なオフェンスを加える構想。昨シーズンの課題として挙げられた『連動性』もより高め、個人ではなくチームとして得点の取れる組織づくりにフォーカスする。宮永雄太ヘッドコーチ兼ゼネラルマネージャーのもと、新旧戦力が融合した新たな『佐賀スタイル』でチャンピオンシップ進出が期待される。

スタッツ

予想スタメン

※掲載情報は10月2日時点のもの

昨シーズンは西地区7位に沈んだが、チームのベースである堅守速攻は機能していた。新加入のダジンスキーはストレッチ力と献身性を兼ね備え、インサイドの軸となるハレルソンと好相性を発揮するだろう。レイナルド・ガルシアや角田太輝のドライブに井上諒汰と金丸晃輔のアウトサイドをからめた、バランスの良いオフェンスを展開できるかが上位進出のカギとなる。ディフェンスの強度を維持しつつ、攻撃面でどれだけ改善できるかがシーズンの行方を左右しそうだ。

所属選手一覧

※掲載情報は10月2日時点のもの

【キープレーヤー】

角田太輝
昨シーズンから著しい成長を遂げた角田は、ディフェンスの安定感に加え、攻撃でも積極性が増した。今シーズンはポイントガードとしての独り立ちが期待され、チームのファーストオプションとしてさらに飛躍することが求められている。潜在能力の高さは際立っており、地元・佐賀を背負う存在として注目される。

【若手選手】

内尾聡理
24歳のディフェンススペシャリスト。昨シーズンはファイティングイーグルス名古屋で56試合に出場し、持ち味の守備力と確実なシュートで存在感を示した。数字に表れないディフェンスでの足さばきや、オフェンスで周囲を生かす動きは宮永ヘッドコーチも高く評価。今シーズンは与えられた時間で堅実に得点を重ねつつ、より大きな相手を守れるディフェンス力の進化が期待される。

【新加入選手】

阿部諒
高いハンドリングと巧みなステップで得点を生み出すシューティングガード。2023-25シーズンに在籍した仙台89ERSで才能を開花させたが、昨シーズン所属したサンロッカーズ渋谷では出場機会が限られ、さらなる活躍の場を求めて移籍を決断した。想像力あふれる発想力を武器に佐賀に新たな展開をもたらし、チームが目指す連動性をより高いステージへ導く存在となる。