ラトビア代表

今日の最終戦では、バルト三国の仲間リトアニアと対戦

ラトビア代表はワールドカップに旋風を巻き起こしている。フランスとスペインを撃破して決勝トーナメントに進出。準々決勝では決勝ブザービーターがリングに嫌われてドイツに敗れたものの、順位決定戦ではイタリアを破った。人口188万人の小国がワールドカップで5勝を挙げた意味は、とてつもなく大きい。

ヘッドコーチのルーカ・バンキはイタリア人で、自分よりも圧倒的な実績を持つイタリア人、セルジョ・スカリオーロのスペイン代表、ジャンマルコ・ポッチェッコのイタリア代表に勝った。

バンキはオリンピア・ミラノでイタリアリーグ優勝を経験した後にドイツやギリシャ、ロシアでコーチを務め、50歳を過ぎたにもかかわらずNBAを目指してアメリカに渡った。ネッツ傘下のGリーグチームであるロングアイランド・ネッツのスタッフになったが、新型コロナウイルスによりリーグは中断となり、コーチの仕事もできなくなった。

ラトビア代表からオファーを受けたのは、そんな時だった。バンキは言う。「驚いたよ。ラトビアに行ったこともなければ言葉も分からず、(クリスタプス)ポルジンギスと(ダービス)ベルターンス以外には選手も知らなかった。正直、闇雲に飛び込んだような形で就任したんだ」

そこから彼は精力的に働いた。NBAプレーヤーを2人擁する状況で、ラトビアバスケ界全体が成功を追い求める状況も彼を助けた。「私はラトビア中を旅して、多くのコーチと話し、選手を見た。小さな国のほぼすべての場所を訪れた」

「私は代表コーチとクラブコーチの違いを超えて、できるだけ連携を取ろうとした。その結果、今のラトビア代表にはアシスタントコーチが2人いて、大会前にスカウティングを担当してくれたコーチもいる。ラトビアの主要6チームのヘッドコーチのうち5人が、代表チームをサポートしてくれているんだ。だが、努力したと言うだけでは意味がない。今夜のように、試合で自分たちの価値を示す必要がある」

ラトビアは今、国全体が代表チームの躍進に熱狂している。「国民のサポートは限りなく大きい。政府が学校で子供たちに試合を見せることを許可し、みんな授業でバスケを見ている。10日間で6試合プレーした選手に『またコートに出て戦え』と言うのは簡単じゃないが、そのことを伝えればどの選手も自分の身体を酷使して戦う新たなモチベーションが沸いてくる」

「我々の目的は勝つことじゃない。これは姿勢の問題なんだ。子供たちに模範と誇りを見せ、人々を鼓舞する。今日の試合を見てくれた人たちは、我々が持つ特別な価値を理解してくれたと思う」

9日の順位決定戦がラトビアにとって最後の試合となる。相手がリトアニアであることが、チームにまた新たなモチベーションを与えている。バルト三国はすべて小さな国で、バスケでは切磋琢磨してきた。その両者がワールドカップの5位と6位を巡って最終戦を戦う。両国の人々はこの試合に熱狂し、代表チームを誇らしく思うに違いない。