新アリーナでのデビューにはスーパーチーム継続がベスト
5年連続のNBAファイナル進出を早々に決めたウォリアーズは、スリーピート(3連覇)達成まであと4勝に迫っている。
ケビン・デュラントを欠いて臨んだカンファレンス・ファイナルだったにもかかわらず、彼らは第1戦から4連勝、無傷のスウィープという形で勝ち上がりを決めた。東からバックス、ラプターズのどちらが勝ち上がってきても、ウォリアーズの3連覇が固いという意見は多い。
そのウォリアーズでは、シーズンオフにクレイ・トンプソンとデュラントがフリーエージェントになる。大方の予想では、トンプソンは残留し、デュラントは他チームに移籍すると見られているのだが、オーナーのジョー・レイコブは、2人と再契約する考えを明らかにした。
『The Athletic』のメール取材に応じたレイコブはこう語っている。
「我々はクレイとデュラントを非常に高く評価しており、彼らとの再契約を試みるつもりだ。私は彼ら2人が残ってくれると自信を持っている。ただ、彼らの決断次第だ。フリーエージェントの権利を持つのは彼らだからね。それでも、我々の目標は今のチームを維持することだ」
オーナーは、トンプソンとデュラントと複数年の契約を結びたがっている。2人の決断次第では、現在のスーパーチームが来シーズン以降も存続するということだ。
もしトンプソンが今シーズンのオールNBAチームに選出された場合、彼はウォリアーズとスーパーマックス契約を結ぶ資格を得る。功労者であるトンプソンに相応しい超大型契約ではあるものの、ウォリアーズはすでにステフィン・カリーともスーパーマックス契約を結んでいるため、もしトンプソンとも同様の契約を結ぶとなれば、サラリーキャップを圧迫することになる。さらにデュラントとも大型契約を結ぶことになると、来シーズン終了後に契約を満了するドレイモンド・グリーンとの再契約にも影響が出る。ただし、球団が高額なラグジュアリータックスをリーグに支払えるのだとしたら、話は変わってくる。
ウォリアーズは、来シーズンから本拠地をサンフランシスコに建設中のチェイス・センターに移す。収益構造が新しくなる状況で、魅力的なプレーが可能なスター選手を揃えておくことは重要だ。そもそも、高額に設定されるシーズンチケットを購入するファンのお目当は『強いウォリアーズ』である。
『The Athletic』によれば、来シーズンのチェイス・センターのスポンサー、チケット、スイートルームの売り上げだけで、20億ドル(約2200億円)の収入が確定しているという。潤沢な資金がある以上、サラリーキャップを超えるペナルティを覚悟してでもトンプソンかデュラントの2人を残すのは自然な選択だ。
スーパーチーム路線が継続されるかどうか、トンプソンとデュラントが7月に下す決断に注目したい。