デイミアン・リラード

「競技者として、プロとしてのプライドがある」

NBAプレーオフ史上、7試合で争われるシリーズで、0勝3敗から逆転勝利を果たしたチームはいない。トレイルブレイザーズがウォリアーズとの西カンファレンス・ファイナルを突破するには、史上初のケースにならなければならなくなった。

王者ウォリアーズは、ケビン・デュラントとデマーカス・カズンズが離脱中にもかかわらず、このシリーズではドレイモンド・グリーンが攻守両面の潤滑油となってチームを機能させている。第3戦でも、グリーンを中心に後半からペースを一気に上げて試合をひっくり返すなど、地力の差は明らかだ。その彼らを相手に、ブレイザーズはエースでありリーダーのデイミアン・リラードが負傷を抱えた状態で立ち向かわなければならなくなった。

リラードは、ウォリアーズとのシリーズ第2戦で肋骨を損傷。ホームの第3戦でも精彩を欠いたプレーに周囲は驚いたが、肋骨のケガがその原因だったことは間違いない。しかしリラード本人は、「痛みはあるけれど、影響はない」と主張。言うまでもなく、彼の頭に第4戦を欠場する考えはない。

「戦う理由は多い。史上初のケースがいつ誕生するかなんて、誰にもわからない。自分たちが史上初のチームになれるかもしれないしね。それに、カンファレンス・ファイナルをスウィープで終わりにしたくはない。競技者としてのプライド、プロフェッショナルとしてのプライドがある。ただコートに出て、『ベストを尽くした。素晴らしいシーズンだった』なんて言う気持ちにはなっていない。戦う理由はいくらでもあるんだよ」

リラードは、チームが19年ぶりのカンファレンス・ファイナル進出を果たせたのは、チーム全員の力と繰り返し主張している。

「周りは、自分が諦めないからとか、自分がどうとか言うのだろうけれど、そうじゃない。僕たちはチーム一丸となってやっている。みんなが力を費やしている。今シーズンのプレーは、全員で実行してきたもの」

ここ2年はファーストラウンドでスウィープされ、悔しい思いをした。現段階で第7戦について考えることはできないまでも、ブレイザーズの選手たちは、ホームでの敗退は絶対に回避したいと思っているはず。リラードが万全でない以上、ウォリアーズを相手に勝利をつかむには、文字通り全員の力が必要になる。