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2010年に『スリー・キングス』を集めた球団社長の手腕が再び試される

今オフにフリーエージェントになるサンダーのケビン・デュラントの決断に注目が集まっている。ここにきてヒートが、オフシーズン中の最優先事項にデュラントの獲得を挙げていると、『ESPN』が伝えた。

現時点では憶測レベルの話でしかないが、2010年にヒートがスーパースター・トリオを一気に獲得した経緯を忘れてはいけない。

2010年のオフ、ヒートはFAとなったドウェイン・ウェイドをまず残留させると、続けざまにクリス・ボッシュ、レブロン・ジェームズと契約。どのチームも欲しがった超大物FA選手を3人も同時に抱えたのだ。

もちろん、今オフと6年前とでは状況が異なる。デュラント本人はサンダーを離れると決めたわけではない。サンダーは、現在ウォリアーズと西カンファレンス決勝を戦っている最中で、第2戦までを終え1勝1敗のイーブンとしている。前年王者と対等に戦い、盟友ラッセル・ウェストブルックとのチームが一段階上のレベルに到達しようとしている現状を考えれば、残留の公算は高い。

仮にデュラントが移籍を決断したとしても、その時はすぐに優勝を狙えるチームとの契約を望むだろう。ヒートも、デュラント獲得の前に、フリーエージェントとなるウェイド、大ブレイクしたハッサン・ホワイトサイドの去就で頭がいっぱいのはず。もし彼らを失うとなれば、レブロン・ジェームズが抜けた後にようやく築いた土台が崩れることになる。

しかし、ヒートのマネージメントを主導するのは、『スリー・キングス』結成を実現させた辣腕、パット・ライリーだ。デュラントとの契約に本腰を入れているのだとすれば、ウェイドとホワイトサイドとの交渉でも落としどころを見つけられるかもしれない。

西で移籍するならウォリアーズ、東ならセルティックスという憶測が飛び交う中、ここに来て急浮上したヒートの動向に注目したい。

ヒートの球団社長を務めるパット・ライリー。2010年オフの再現が期待される。