同大のGMはアンダーアーマー出身

ウォリアーズのステフィン・カリーが、母校デビッドソン大のアシスタントGMに就任すると『ESPN』のシャムス・カラニアが報じている。アメリカの主要プロスポーツの現役選手が、大学チームの運営部門で役職に就くのは史上初と見られる。

さらにカリーは、妻のアイーシャや長年デビッドソン大を支援しているメンバーと共に、数千万ドル規模の基金を立ち上げ、同校の運動部を支援していくことも明らかになっている。

カリーは2006年から09年にかけてデビッドソン大学に在籍。1年生から中心選手を務めると、3年時には1試合平均28.6得点5.6リバウンド4.4リバウンドをマーク。2年時にはNCAAトーナメントで格上チームを立て続けに撃破し、チームをベスト8へと導く立役者となった。このトーナメントが、カリーが初めて全米規模でスポットライトを浴びる舞台だったのは記憶に新しい。

デビッドソン大はカリーが去った後も、2012年、13年、15年とコンスタントにNCAAトーナメントに出場していたが、過去6シーズンでの出場はわずか1回。そして今シーズンもカンファレンス下位に低迷し、トーナメント出場はかなり厳しい。

今回、カリーがアシスタントGM就任に至った背景として、母校愛に加え、同校のオースティン・バンツGMとの関係も大きい。バンツGMは、カリーが生涯契約を結び自身のブランド展開をしているアンダーアーマーの、グローバルスポーツマーケティングチームだった。

当然のように、現役のカリーがチーム作りに関われる時間は少ない。ただ、稀代のNBAスターが選手獲得のリクルーティングの場に出席するなど、少しでもこれに携われることになれば、デビッドソン大にとっては大きなPRとなる。

今、NCAAでは各選手にNILと呼ばれる肖像権を生かしたスポンサー契約が認められており、数億円規模の契約を結ぶ選手も出てきている。各大学がリクルーティングにおいて、よりマーケティング力などビジネス面の要素も問われるようになってきた中、カリーの存在がチーム力強化にどんな影響を及ぼすのか楽しみだ。