ジェイデン・マクダニエルズ

堅守に加え、2月は平均18.6得点とオフェンス好調

現地2月24日、ティンバーウルブズはアウェーでサンダーと対戦し、NBA史上に残る大逆転劇によりオーバータイムにもつれた熱戦を131-128で制した。

ウルブズは第2クォーターにわずか17得点と失速し、第3クォーター終了時点で80-102と一方的な劣勢となる。16点ビハインドの第4クォーター残り4分で16点ビハインド、カンファレンス首位のサンダーの大勝だと誰もが思っただろうが、ここから奇跡のカムバックが始まる。

堅守でサンダーの勢いを抑え込んだ上で、ナズ・リードの連続得点で残り1分で5点差と肉薄。ここからジェイデン・マクダニエルズがフリースロー2本成功に加え、3点差で追う残り11秒にレイアップからバスケット・カウント。フリースローもしっかり沈めると、第4クォーターで41-19のビッグクォーターを作り土壇場で追いついた。

オーバータイムは一進一退の攻防となったが、残り20秒にリードのフリースローで勝ち越すと、続くポゼッションで逆転を狙ったサンダーのエース、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーのレイアップをアンソニー・エドワーズが値千金のブロック。これが決め手となり、ウルブスが劇的勝利を収めた。

ちなみに『Opta Stats』によると今日の勝利で、ウルブズは第4クォーター開始時に20点以上のリードを許したロードゲームで、勝率8割以上の相手にNBA史上初めて勝利したチームとなった。

歴史に残る大逆転勝利の立役者となったのはマクダニエルズで、フィールドゴール16本中9本成功の27得点10リバウンド4アシストを記録。エースのエドワーズがふくらはぎのケガを抱えてシュートタッチに苦しむ中、オフェンスを牽引した。

試合後、マクダニエルズは「大差からの逆転劇は気持ち良いものだ。若手を含めて全員が貢献する、チームワークの勝利だった」と語る。

そして「まるでナゲッツとの『GAME7』での逆転劇の再現だ」と続ける。「あの試合で、どれだけの点差をひっくり返したのかわからないけど、15点差、20点差からでも逆転できる感覚があるよ」

マクダニエルズはリーグ屈指のディフェンダーと評される一方でオフェンスは伸び悩み、今シーズンもここまで平均11.7得点と、キャリア平均の10.1得点から大きな上積みはない。だが、2月の成績は11試合で平均18.6得点と大きく向上している。盟友であるリードは、「成長を感じるよ。僕たちは毎日、彼のプレーを見ていて、彼の実力を理解している」と、その進化に手応えを感じている。

昨シーズンの56勝26敗に対し、今のウルブスは32勝27敗とすでに1年前より多くの黒星を喫しているが、この勝利が悪い流れを変えるきっかけとなるかもしれない。そして、ここからの逆襲にはマクダニエルズのオフェンス面での成長が鍵を握ってくる。