琉球との強豪対決、収穫と課題の1勝1敗で終える
2月1日と2日、アルバルク東京はホームで琉球ゴールデンキングスと対戦し、ゲーム1は87-67と快勝したが、ゲーム2は58-83で敗れる対照的な結果となった。
ゲーム1ではシュートタッチが良かったことに加え、リーグ屈指のサイズとフィジカルを誇る琉球にリバウンドで36-36と互角に渡り合ったことが勝因となった。しかしゲーム2ではリバウンドで33-44、ペイント内の得点で24-40と差を付けられ、ゴール下を制圧されて敗れた。
A東京の安藤周人は、この2試合を次のように総括する。「相手の走りたい意図については昨日の試合後もチームとして確認したのですが、それが試合の出だしから走られてしまい、自分たちに良い流れを持ってこられませんでした。昨日はそこまで許していなかったセカンドチャンスポイント、ジャック・クーリー選手のリバウンドをもうちょっと抑えないといけなかったです。後半は自滅によって流れを断ち切ってしましました」
安藤が悔いるように、ゲーム2のA東京は自分たちのやるべきことを理解していながら遂行できなかった。ただ、難敵相手の1勝1敗は及第点とも言える。また、その前の1月29日に行われたシーホース三河との同地区上位対決では87-65と圧勝している。まだ課題は多いが、まさかの5連敗を喫した年末年始からチーム状態は明らかに良くなっており、安藤も「連敗中の方が、チームとして酷かったです」と語る。
あの時期に安藤が痛感したのは、テーブス海の存在感だ。不動の先発ポイントガードとしてチームを牽引するテーブスは、加入1年目の昨シーズンはチャンピオンシップを含めて63試合すべてに出場し、平均10.7得点、4.8アシストと見事な働きを見せた。A東京にとって攻撃の中心にいることが当たり前だったテーブスがケガで不在となり、その穴を埋めようとチーム全員がハードワークしたのは間違いない。だが、簡単に対応できるマイナスではなかったと安藤は率直な思いを明かす。
「言い訳にはしたくないですけど、海がいなくて何をしたらいいんだろう、みたいな部分が5連敗の時にはありました。普段は25分出ていて、アシストも含めて10得点以上をもたらす選手がいなくなった時、自分たちが何をしないといけないのかを明確にできていなかった。その存在がいかに大きかったのかを痛感しました」
「何をしなければいけないのか考え続けたい」
現在はテーブスも復帰し、チームはあるべき姿を取り戻しつつある。安藤は「今は負けた理由がはっきりしています。今日は自分たちがちゃんとやれば勝てた、自分たちのせいで負けたと理由がはっきりしているのはプラスにとらえていいと思います」と語る。
インジュアリーリスト入りしたアルトゥーラス・グダイティスに代わり、今節から加入したアレックス・マーフィーについても、「アレックスはしっかりと身体を張って、できることを精一杯やってくれています。僕たちがしっかりとサポートしないといけないです。グダが戻ってくるまでの間かもしれないですけど、彼が入ることでまた違うバスケットボールが生まれると思います」と手応えを得ている。
大きな苦境を乗り越えたA東京だが、3地区の中でも競争の激しい中地区にいるだけに、シーズン後半戦に向けてタフな日程が続く。その中で連敗を繰り返さないために、安藤は個々の選手が強い責任感を持つがゆえに時に生まれてしまう一体感の喪失をなくことが大切と見ている。
「今シーズンは悪い時、そのまま悪い流れで行ってしまうことが多いです。そこでそれぞれ自分が断ち切らなければと思うからこそ、各々がセルフィッシュになってしまっているところもあります」
琉球との激闘を終えたばかりだが、明日には広島ドラゴンフライズとの天皇杯ベスト4というビッグゲームが控えている。「リーグ戦では2連勝しましたけど、あの時と今の広島は違います。リーグ戦で勝ったことは忘れて新たに戦う気持ちで行かないと勝てないです」と安藤が語るように、11月中旬に対戦した時と比べ、今の広島は外国籍が揃って寺島良も復帰し、別のチームになっている。
ただ、この難敵に勝てば大きな弾みがつく。そのためには「いろいろと試行錯誤しながら楽しんでいるところです。少しでもチームの成長に繋がるために、何をしなければいけないのか考え続けたいです」と意気込む安藤が、持ち前の得点力でチームに勢いをつけることが大切だ。