ラビーンはキングスに移籍、ブルズは再構築へ?
移籍が濃厚と噂されていたディアロン・フォックスとザック・ラビーンを含めた、キングスとブルズ、スパーズの3チーム間トレードが合意に達した。今回のトレードをまとめると以下の通りとなる。
スパーズ:ディアロン・フォックス、ジョーダン・マクラフリン
キングス:ザック・ラビーン、シディ・シソコ、1巡目指名権3つ、2巡目指名権3つ
ブルズ:ザック・コリンズ、トレ・ジョーンズ、ケビン・ハーター、1巡目指名権
スパーズはフォックス獲得に際して使い切れないほど抱えていた指名権を手放し、デビン・バッセルやケルドン・ジョンソン、ジェレミー・ソーハンといったトレードの価値のある主力を残しつつ今回の補強をまとめた。これは再建に終止符を打ち、ここからは勝ちにいく意思表示と言えるだろう。
フォックスの妻はサンアントニオ出身で、今回のトレード要求が明らかになった時点でスパーズへの移籍を希望していたという。NBA8年目の27歳、これからキャリアの全盛期を迎えるところ。ウェンバニャマとのピック&ロールは強力な武器になるだろうし、フォックスの弱点である3ポイントシュートはウェンバニャマがカバーできるし、スパーズの課題であるクラッチタイムの勝負強さはフォックスが強力に補うことができるため、大きな戦力アップとなりそうだ。
ブルズはこの1年を通してトレードを探っていたラビーンをついに放出。今年の自前の指名権を取り戻した動きも含め、今の若いタレントを生かしてチームの再構築に入るようだ。トレードデッドラインまでに契約最終年を迎えているニコラ・ブーチェビッチも放出することが予想される。
キングスは実質的なトレード要求をしていたフォックスを、彼の希望に沿う形でスパーズに放出し、フォックスとラビーンのサラリーの差額を調整する意味でハーターを放出。こちらはマイク・ブラウン解任後にダグ・クリスティが暫定ヘッドコーチを務めており、フォックスのトレード要求が表に出たのも最近で、ここからどう動くかは予想が難しい。
ドマンタス・サボニスとデマー・デローザンにラビーンを加えた『ビッグ3』で少なくとも今シーズンは勝負するかもしれないが、そのチームに可能性が感じられないとしたら、すでに35歳のデローザンは再建を待てないだろう。自前の指名権を保持している上に、今回のトレードで数多く手に入れた指名権をどう使うか、その判断が問われる。