unrivaled

参加選手の平均年俸はWNBAの約2倍に

先週、アメリカで女子3×3の新リーグ『Unrivaled』がスタートした。

アメリカのトップリーグであるWNBAは、NBAと日程が重ならない春から秋にかけて試合が組まれている。WNBAの人気が年々高まっているにもかかわらず、約半年以上にわたってトップ選手のプレーを見られる機会がないことが、女子バスケのさらなる発展に向けた大きなマイナスであるのは周知の事実だった。

また、一部のトップ選手を除けば、WNBAでプレーするだけで将来安泰という金額を得ることは難しく、WNBAのオフシーズンに開催されているリーグ戦も盛り上がりに欠けている。『Unrivaled』は、オフシーズン中に欧州などのリーグに行かずとも、国内でのプレーで十分な金銭を得ることができ、露出のない空白期間を埋めるコンテンツとして、大きな期待を受けて始まった。

リーグの創設者は、パリ五輪の金メダリストであるブリアナ・スチュワートとナフィーサ・コリアー。また、バックスのヤニス・アデトクンボ、女子バスケ随一の名将とうたわれるドーン・ステイリー(サウスカロライナ大女子ヘッドコーチ)、水泳の五輪金メダリストであるマイケル・フェルプスなども出資し、3500万ドル以上(約55億円)を調達している模様だ。

初年度は117日から317日にかけて、1チーム6名の6チームが参加する。レギュラーシーズンはラウンドロビン方式(総当たり)で、少なくとも各チームと一度は対戦し、合計で14試合を実施。そこから上位4チームがプレーオフに進出する。会場はマイアミにある専用施設だ。

今、女子バスケで一番の人気を誇るケイトリン・クラーク、アメリカ代表のエースであるエイジャ・ウィルソンは参加しないが、創設者のスチュワート、コリアーに加え、サブリナ・イオネスク、ブリトニー・グライナーなど多くのWNBAトップ選手たちが参戦。『SB Nation』によると、選手たちの給与総額は800万ドル(約125000万円)で、平均給与は222222ドル(約3500万円)。36名という厳選された存在であることも影響し、WNBAの平均年俸119500ドル(約1900万円)を大きく上回る。

ちなみに『Unrivaled』はFIBAの3×3とはまったく別の競技だ。FIBAルールはハーフコートだが、Unrivaledはコートの縦幅が5人制の約40%に縮小された2つのフルコートで戦う。ショットクロックは18秒。試合の決着の仕方も独特で、第1クォーターから第3クォーターまでは各7分で、第3クォーター終了時にリードしていたチームの得点+11点がターゲットスコアになり、第4クォーターでこの得点に早く達したチームが勝者となる。

Front Office Sports』によると、『TNT』で放送された開幕日の視聴者数は平均30万人以上で、これはTNTの女子バスケットボールにおける史上最多の数値だった。WNBA2024レギュラーシーズンの平均視聴者数119万人と比べると、物足りない数字に見えるかもしれないが、新興リーグのスタートとしては及第点と言える。ここからどこまで認知度を高めていけるのか楽しみだ。