ドーン・ステイリー

NCAA女子バスケでは史上最高額に

NCAAサウスカロライナ大の女子バスケットボールチームでヘッドコーチを務めるドーン・ステイリーが、NCAA女子の指揮官では史上最高額となる契約延長に合意した。今シーズンが契約最終年だったステイリーは、5年総額2525万ドル(約38億円)の契約を結んだ。

東京オリンピックで女子アメリカ代表を金メダルに導いたステイリーは、1999年から2006年にかけてWNBAでプレーし、オールスター5度出場を誇るスター選手だった。また、WNBAで現役としてプレーしつつ、2000年からテンプル大で指揮を執り、2008年から指揮を執ったサウスカロライナ大を全米随一の強豪チームへと引き上げ、2017、2022、2024年とNCAAトーナメントを制覇。現在、アメリカ代表のエースを務めるエイジャ・ウィルソンを筆頭にWNBAで活躍するトップ選手を多く輩出している。

ステイリーの新契約は1年平均で約480万ドル(約7億5000万円)となり、現行の契約である310万ドル(約4億8000万円)から大幅に増加。また、NCAA女子バスケットボール界にとっても、これまでトップだったルイジアナ州立大のキム・ムルキーの326万ドル(約5億円)を大幅に更新する歴代最高額となる。

また、契約期間中にステイリーが他の大学のコーチ職に移る場合、彼女には残り契約の年俸と同額を大学に支払う義務が生じる。これは当然だが、注目すべきはWNBA、NBAのコーチになるためチームを離れる場合には、大学への違約金の支払い義務はない点だ。

ちなみに『USA Today』によると現在のNCAA女子バスケで1年平均の年俸200万ドル(約3億円)以上のヘッドコーチは4名、100万ドル(約1億5000万円)以上は18名。ちなみに『Front Office Sports』によると、WNBAのヘッドコーチで年俸100万ドル以上はマーキュリーのネイト・チベッツ、エイシーズのベッキー・ハモンの2人のみ。今後、WNBAは巨額のメディア契約の影響からコーチ、選手の年俸底上げが見込まれるが、現状ではNCAAの方が待遇は上だ。

ステイリーは別格とはいえ、アメリカ大学スポーツのビジネス規模の大きさを示す今回の新契約となった。