白谷柱誠ジャック

3位決定戦で50得点22リバウンドと試合を支配

1月8日、ジュニアウインターカップの男子3位決定戦が行われ、四日市メリノール学院中(三重)がLakeForce(滋賀)に101-38で圧勝した。

昨秋U18代表に飛び級で選出された196cmの逸材、メリノール中の白谷柱誠ジャックはこの試合で50得点22リバウンドを記録。昨日の琉球ゴールデンキングスU15戦は63-80で敗れたものの大会新記録の54得点を挙げており、2試合連続50得点で中学校最後の公式戦を終えた。

琉球U15に敗れ、夏の全国中学生バスケットボール大会に続く日本一を逃したメリノール中だが、LakeForce戦は白谷を中心にチーム全員が積極的にアタックを仕掛ける本来のプレーを見せた。白谷は「このメンバーで戦う最後の試合で、みんなでやるべきことをやり切れたのが一番嬉しいです」と笑顔を見せた。

通常、中学生年代で196cmのサイズがあればゴール下にポジションを取ってシュートを打っていくのがセオリーだ。だが、白谷は難なくボールプッシュできる機動力を備え、クロスオーバーなど巧みなボールハンドリングからドライブ、3ポイントシュートなどの多彩な動きで得点を量産した。

これは中学世代の名将として知られるメリノール中の山崎修コーチの、次のような育成方針があったからこそ。「ジャックをゴール下に置いてやればもっと楽にやれます。でも高校になってコンバートするのでは間に合わない。ガードは生まれた時からガードでないといけないです」

そして「彼は日本の宝です。3年間、捻挫1つさせずにここまで来て次の世代に送れると思います」と語る指揮官のもと、白谷は3年間で故障なく大きな成長を遂げた。

白谷はスキルだけでなく、メンタル面も着実に成長した。それは中学3年間を振り返り、「自分がどれだけテレビに出たり、代表に選ばれたりしても普段通りに接してくれる友達、チームメートのおかげで、自分は1人にならなかったです。ずっと側にいてくれたみんなに感謝しています」と仲間への感謝を第一に挙げたことが示している。また、「この大会で自分は世代No.1になれていなかったです」と自分を律することができるのも大きな魅力だ。

白谷柱誠ジャック

「オールラウンダーとしてプレーできるようになりたい」

「自分は点を取っていましたが、昨日の試合は最終的に負けています。琉球U15の越(圭司)選手はチームを勝たせる力が自分よりありました。スキル、精神面でも勝たせる力を磨いていきたいです」

このように話した白谷は、次のステージとなる高校生活に向けて「どんなカテゴリーでも常に一番を目指しています。自分はここで終わる選手ではないので、より高みを目指して頑張っていきたいです」と意気込んでいる。

また、高校でも1年生からエースとしてチームを支えていきたいと考えている。「自分が進学を予定している高校には、優しく、ファーストオプションとして自分を頼ってくれる先輩たちがいます。1年生だからと引かずに先輩を引っ張れる後輩になっていきたいです」

さらに「世代でも常にトップで居続けて世界に通用する選手になりたい」と語る白谷は、理想とする選手像をこう続ける。「今、自分が目指しているのはヤニス・アデトクンボ選手だったり、アンソニー・エドワーズ選手だったりと色々なタイプの選手ですが、オールラウンダーとしてプレーできるようになりたいです。1つひとつスキルを上げていって、オフェンス、ディフェンスにリーダーシップでもチームを引っ張っていけるようになりたいです」

今大会、白谷は1人だけ別次元のパフォーマンスで周囲を圧倒した。一流のガードスキルを備えた196cmの逸材が、4月から高校1年生として再び圧倒的なパフォーマンスで試合を支配し続けてもそれは驚くべきことではない。