河村勇輝

チームは大敗もラスト11分で優れたオフェンス力を披露

現地12月29日、グリズリーズの河村勇輝が約半月ぶりにNBAの試合に出場し、キャリアハイとなる10得点を記録した。

ジャ・モラントが肩のケガで離脱した後も粘り強い戦いを続けているグリズリーズだが、西カンファレンスでぶっちぎりの首位を走るサンダーと敵地での戦いでは分が悪かった。第2クォーターを19-42と圧倒され、第3クォーター終了時点で74-102と大差がつき、第4クォーター残り11分で河村が投入された。

開始1分とたたないうちに、ドライブでペイントエリアに侵入してディフェンスの注意を引き付けると、裏のスペースにノールックでボールを落としてジェイ・ハフのイージーダンクをアシスト。NBAの試合は久々でも、ハッスルで試合勘を養い、好調をキープしていた河村はこれで波に乗った。

その1分後、ドライブしながらパスフェイクを入れてのジャンプシュートをジェイリン・ウィリアムズの目の前から放って決めて初得点を記録。ボールを託したルーク・ケナードが3ポイントシュートを決めたことで2アシスト目が付くと、残り6分半には3ポイントシュートを沈めた。

大差の終盤、両チームともメンバーを落とす中でプレーは大味になっていったが、河村は集中を保ってプレーを続けた。残り2分半では速攻から左コーナーでフリーになると、飛び込んで来る相手の動きをよく見て裏へとドライブ。ヘルプの動きまできっちりと把握し、その裏のコリン・キャッスルトンのバスケット・カウントをアシストした。

続くポゼッションでは速攻から一気にリムを攻め、1人をかわして体勢を崩されながらもスクープショットを確実に沈める。さらに次の攻めでも3ポイントシュートを沈め、これで3ポゼッション連続で得点に絡むとともに、キャリアハイの10得点を記録した。

河村はNBA14試合目の出場で初の10得点。フィールドゴール5本中4本成功とシュートタッチが良く、特にアーロン・ウィギンズを相手に1対1を仕掛けてインサイドで得点を奪ったプレーは大きな自信に繋がるはず。グリズリーズは開幕当初のケガ人続出の状況を抜け出したが、ここにきてまたケガ人が増えつつあり、河村の出番もまた増えてきそうだ。