ベン・シモンズ

写真=Getty Images

エンビード不在を全員で埋めたシクサーズ

1勝1敗で敵地に乗り込んだセブンティシクサーズにアクシデントが起こったのは、第3戦が始まる15分前だった。先発センターのジョエル・エンビードが、左ひざの負傷により欠場することが発表されたのだ。だが、ベン・シモンズ、トバイアス・ハリス、JJ・レディックがチームの窮地を救った。

シモンズがプレーオフでのキャリハイとなる31得点を決めれば、ハリスは放った6本全ての3ポイントシュートを成功させて29得点16リバウンド、シャープシューターのレディックも5本の3ポイントシュートを含む26得点でオフェンスを牽引し、シクサーズが131-115で勝利を収めた。

31得点4リバウンド9アシスト2スティール3ブロックというスタッツを残したシモンズは、エンビード欠場で試合に向けた気持ちに変化があったかを聞かれると、「普段通り、集中してプレーした。それが上手くいっている」とコメント。そして「このチームには、勝負を決められる選手、試合を終わらせることができる選手が揃っている。それは、球団の全員が知っていることだから」と、表情を変えずに続けた。

バークレイズ・センターに集まったネッツファンは、シモンズがボールに触れるたびにブーイングを浴びせた。だが、シモンズがドライブからの得点を量産し、流れるようなオフェンスの舵を取る姿を見せられた彼らは、試合が進むに連れて静かになっていった。

シモンズは、ネッツファンの反応について「言いたいことを言う権利は誰にでもある。コートに立っている時には、その影響を受けるわけにはいかないんだ。自分は自分の仕事をするだけ。ポイントガードとして、ベストを尽くすだけ」と語った。

エンビード不在の状況で、しかも敵地での初戦に勝てたのは大きい。先発センターに起用されたグレッグ・モンローは9得点13リバウンド、ボバン・マリヤノビッチもベンチから14得点8リバウンドを記録し、エンビード不在を感じさせなかった。特にマリヤノビッチは前半からインサイドで効果的なプレーを続け、出場している時間帯での得失点差を表す±の数字が、チームで2番目に高い18だったのも納得がいく。第4戦にエンビードが出場できるかは不明だが、この調子なら、彼を休ませることも可能だろう。

ホームでの初戦を落としたシクサーズだったが、第2戦で立て直し、第3戦ではエンビード不在をチーム一丸で乗り越えた。シリーズの流れはシクサーズに傾きつつある。