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期待どおりのスタートダッシュが切れなかった名古屋D
昨シーズンの名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、初の地区優勝を果たし、今まで一度も破れなかったクォーターファイナルの壁も突破。過去最高の成績を収めた。
さらなる高みを目指すべく臨んだ今シーズンは、11月のバイウィークまでを6勝8敗と負け越すという、想定外のスタートを切ることになった。千葉ジェッツや三遠ネオフェニックス、島根スサノオマジックといった上位チームとの対戦は全敗。ファイティングイーグルス名古屋や茨城ロボッツら苦しんでいるチームにも勝ち星を献上してしまった。
ショーン・デニスヘッドコーチは序盤戦を次のように振り返る。「新加入選手が5人いるので、少し時間がかかっています。ケガ人もいて全員が揃って練習できていない状況です。自分たちがどのようなバスケをするのか全員に理解してもらう必要があります」
デニスヘッドコーチの言葉通り、名古屋Dは昨シーズンまで主力を務めた須田侑太郎やレイ・パークスジュニアが退団し、再度チームを作り直す必要があった。特に生命線と言えるチームディフェンスに課題を残す序盤となった。
さらに痛手だったのが、攻守ともにチームの中心を担うことが期待されていた今村佳太の離脱だ。今村は9月上旬に行われた『AICHI CENTRAL CUP 2024』にこそ出場したが、右手のケガの影響で開幕から欠場。バイウィークに入る直前の千葉J戦でようやく復帰したが、調整の意味合いもあってか2試合合わせても出場時間が30分に届かず、チームを勝利に導くことはできなかった。
しかし、バイウィーク明けの京都ハンナリーズ戦で今村は本来の姿を取り戻した。オフェンスではハンドリングから積極的にリングにアタックしていき、エースとして自覚あふれるプレーを披露。第1戦では21得点、第2戦では19得点といずれもチームハイを叩き出し連勝に導いた。ディフェンスではエナジーレベルを高く保ち、チームメートとの連携もしっかりと遂行した。
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「勝利に直結するプレーができなければ移籍してきた意味がない」
試合後、今村はチームにおける自分の存在意義をこう話した。「自分が復帰したら、勝たなければ意味がないと思っていました。勝利に直結するプレーができなければ移籍してきた意味がない。そういうプレッシャーを自分でかけながらやっています」
序盤戦では不安が残ったチームディフェンスも、この試合では機能し始めていた。今村はチームがケミストリーを高めるために良いバイウィークを過ごしていたと明かした。
「ザイラン(チータム)は日本で初めてプレーしますし、ルーク(メイ)も昨シーズン日本でプレーしましたが、まだまだ日本の文化が新鮮な状況です。(中東)泰斗さんが企画してくれて、彼らが好きなものをチョイスしてご飯を食べに行きました。オフコートで色々話せたのはすごく大きなことだったと思います。オンコートでギクシャクしていたコミュニケーションをもっとフラットにしていこう、というようなことを確認できました」
名古屋Dは、京都戦から中2日で行われた天皇杯の3次ラウンドでアルバルク東京と対戦した。惜しくも58-60で敗退となったが、今村はいずれもチームハイとなる28分58秒の出場で17得点を挙げ、最後までチームを牽引。チームが上位相手に十分に戦えることを証明した。
怒涛のスケジュールでシーズンは進んでいく。今週末はアウェーで琉球ゴールデンキングスとの対戦が待っている。今村にとってはかつてのホームアリーナである沖縄アリーナへの初凱旋だ。琉球での今村の功績は言わずもがな大きい。3シーズン続けてファイナルの舞台に立ち、うち1度のチャンピオン獲得は今村の力なしでは叶わなかっただろう。
琉球戦への思いを聞かれた今村の顔には一切の気負いはなかった。「率直にめちゃくちゃ楽しみです。4年間在籍させてもらい、人間としてもプレーヤーとしても成長させててもらった場所なので、恩返ししたいという気持ちがあります。良い準備をして臨んでいきます」