「これは我々に何を教えようとしているのか」
ホーネッツは6勝14敗とここまで苦しい戦いを強いられているが、ケガで昨シーズンはほとんど稼働できなかったラメロ・ボールがリーグ2位の31.1得点、同12位の6.9アシストとオールスター級の活躍を見せ、バックコートでコンビを組むブランドン・ミラーを始め、周囲との連携が高まることで今後の飛躍を予感させていた。
しかし、ケガの連鎖は終わっていなかった。現地11月27日のヒート戦で左ふくらはぎを痛めたラメロは続くニックス戦を欠場。その後にケガが肉離れで、少なくとも2週間の離脱となることが発表された。ヒート戦は4点差、ニックス戦は1点差、続くホークス戦は3点差と、健闘しながらも勝ち切れない試合を続けるホーネッツはこれで5連敗を喫している。
ケガ人はラメロだけではない。グラント・ウィリアムズが膝の大ケガでシーズン終了となったのに続き、マイルズ・ブリッジズは膝、マーク・ウィリアムズは足を痛め、腰の痛みが長引いて出場と欠場を繰り返していたトレ・マンは椎間板炎症と診断された。
これだけ主力にケガ人が出ては勝つのは難しいし、新たなチーム作りは停滞せざるを得ない。新たな指揮官にチャールズ・リーを迎えたことで、ホーネッツのメディカルスタッフは大幅に入れ替わり、増員もされたが、ケガ人の連鎖は止まらない。
それでも指揮官リーの仕事は、チームの成長が停滞しても止めないことであり、あくまでポジティブに挑戦を続けるつもりだ。「なぜ我々ばかり? と思ってしまうのは分かる。みんなそう言うが、『これは我々に何を教えようとしているのか』という言葉に変えたい。この機会から学び、この機会を生かして成長するというマインドが必要だ」
2巡目42位指名のルーキー、KJ・シンプソンはローテーション外に置かれていたが、ラメロとマンが離脱したことで出場機会を得るようになった。「このチームに加わった日から『準備しておけ』と言われてきた。今がその時だ。タージ・ギブソンからは『チャンスをモノにしろ』と気合いを入れられたよ。みんなが僕を信頼してくれる。その期待に応えたい」とシンプソンは言う。
主力の戦線離脱は、シンプソンやニック・スミスJr.のような若手のチャンスとなる。毎試合勝つわけにはいかないが、一つでも多く勝って自信を取り戻し、成長へと繋げる。そしてケガをしている選手たちは自暴自棄になるのではなく、より強くなって戻って来ることを目指す。
指揮官リーは言う。「不運を嘆き、自分たちを憐れんでも意味はない。どうすれば状況を改善させ、問題を解決できるかを考え、そのための行動を取るんだ」