デジャンテ・マレー

「やられっぱなしのままにしておくつもりはないよ」

デジャンテ・マレーはペリカンズでのデビュー戦となったブルズとの開幕戦で14得点8リバウンド10アシストとマルチな才能を発揮するも、この試合の終盤にコートに倒れた際に左手を骨折した。当初の予定より復帰が遅れたのは、ケガだけではない問題を抱えていたからだ。

「どんな時期よりも心理的に辛かった。開幕前に母が病気で倒れたんだ。母はそれでも僕がプレーすることを望んだからチームに戻ったけど、たった1試合でケガをしてしまった。バスケをしていればケガは付き物だし、治すことに集中すればいい。でも母の具合が悪いのは辛いよ。だからしばらく母のそばにいさせてもらった。僕だけじゃなくチームにはケガ人が続出したけど、やれるのは回復に努めることだけだった」

母の容態が落ち着いたことで、マレーはチームに戻って来た。しかし、復帰戦となった現地11月27日のラプターズ戦は散々な出来だった。覇気のないプレーでラプターズに圧倒され、10点ビハインドでスタートした第3クォーターもどんどん点差を離される。77-104とされた第4クォーター残り6分に主力がベンチに下がると、ニューオリンズのファンは不甲斐ないチームにブーイングを浴びせた。

マレーは25分のプレーで14得点4リバウンド2アシスト2スティールを記録。1カ月ぶりの試合だけにリズムに乗れないのは仕方のない面もあるが、4勝15敗とすでにシーズンの希望を失いつつあるチーム状況だけに、マレーは憤りを隠さなかった。

「1カ月ぶりに試合に戻って来られたのは良かったけど、はっきり言って僕らは最低だった。コートに出たら戦わなければいけない。ゲームプランがあり、練習でそれを試し、試合で実行するべきなのに、全くできなかった。ラプターズは若いチームで、フィジカルにプレーしてくる。それにはフィジカルで応えて戦わなきゃいけないんだ。彼らは『よし、この連中はどうにだってできるぞ』とこう思っただろうね。それを自分たちのホームで、自分たちのファンの前でやられたのは屈辱だ」

試合をする限りは勝つことも負けることもある。だが、戦わずして負けることを受け入れてはいけないとマレーは言う。それは彼自身の思いでもあり、メディアを通したチームメートへの喝でもある。

「ケガ人が多くて選手の入れ替わりが頻繁に起こるのが難しいのは分かるけど、だからと言って全力で戦うのが難しいということにはならない。僕はこのチームのリーダーとして、まず自分から始めるつもりだ。そうやってこのチームを戦う集団に変えたい」

「今日のパフォーマンスは恥ずべきものだった。このことを恥ずかしいと感じなかったり、腹を立てていないのだとしたら最低だね。自分たちのファンからブーイングされた。ファンが見たかったのはこんな試合じゃなかったから当然だよ。僕らは全力で戦う姿を見せなきゃいけない。そのために報酬を得ているんだ」

「感謝祭は家族と過ごす。母さんのところに戻るよ。でも、次の試合に向けてメンフィスに向かう時には、今回のことをもう一度考える。その時には試合に臨む精神的な準備ができていなきゃいけない。勝敗がどうであれ次の試合はやって来る。悪い習慣をそこまで持ち越したくはない。やられっぱなしのままにしておくつもりはないよ」