堅守速攻を体現しSR渋谷を圧倒
栃木ブレックスがサンロッカーズ渋谷のホームに乗り込んだ第2戦。堅守を軸にセカンドチャンスポイントや速攻など、強みを出しきった栃木がすべてのクォーターを上回り、99-65の完勝を収めた。
栃木は「できないことはなさそうでしたけど、昨日膝を痛めたので大事をとった」との理由で、攻守の要である遠藤祐亮が欠場。それでも、鵤誠司のスティールから渡邉裕規の3ポイントシュートに繋げ、比江島慎が杉浦佑成のボールを奪うなど、遠藤不在を感じさせないディフェンスで先行する。
第2クォーターからは栃木の強さが存分に出始める。プレータイムをシェアすることでディフェンスの強度を落とさない栃木は、スイッチを多用しSR渋谷にズレを作らせず、タフショットを誘発。さらに、ガード陣にプレッシャーをかけ、苦し紛れのパスをパスカットし速攻に繋げていった。また、ロバート・サクレやライアン・ケリーのブロックショットを浴びるも、そのこぼれ球を拾いゴール下で得点するなど、抜け目のないオフェンスを展開した。
栃木は速攻で9点、セカンドチャンスポイントで7点を挙げ、31-17とこのクォーターを大きく上回り、8選手が4得点以上を挙げるバランスの良さを見せる。
その後も栃木のペースで試合は進む。田臥勇太がコートにダイブして死守したポゼッションが鵤の3ポイントシュートに繋がる。栃木はボールへの執着心や球際の強さでもSR渋谷を上回る。喜多川修平の3ポイントシュートで点差を30に乗せ、早々に試合を決めた。
「あのチームより上にいけるという感覚は常に持ってます」
勝利した栃木の安齋竜三ヘッドコーチは、「昨日はオフェンスのスペーシングや、スクリーンのヒット率がかなり悪かった。そこが今日はできているからズレもできて、トランジション以外でも良いオフェンスになり、オープンシュートが打てていた」と、99得点を奪ったオフェンス面を収穫に挙げた。
一方、栃木の堅守の前に65点に終わった理由を、伊佐勉ヘッドコーチはこのように説明した。「一人ひとりのボールプレッシャーはもちろんですけど、それが組織立っています。タイムシェアをすることで強度が40分間落ちないので、相手にしたら嫌ですね。素晴らしいチームディフェンスでした」
また、「ターンオーバーからの失点と走られての失点が全スコアの半分くらいになっている」と言うように、SR渋谷はターンオーバーから32点を許し、速攻から16点を失った。「強度の高いディフェンスに対してアジャストできなかった」と、栃木の堅守の餌食となったことを認めた。
SR渋谷の中では、強気な姿勢を崩さず5本の3ポイントシュートを沈めた長谷川智也の活躍が収穫だろう。「距離がありましたが、自分の中ではシュート範囲だと思っています。ディフェンスがいて、チームのシステムができない中で、どこかで打開しなければいけない。自分が打てるというのは証明できました」と、SR渋谷ファンの思いを胸に栃木に一矢報いた。
千葉ジェッツの優勝が決まり、栃木は東地区2位でチャンピオンシップに出場することになった。安齋ヘッドコーチは初年度を制したチームと現在のチームを比較し、「まだ伸びしろはあると思っているので、そういう意味ではあのチームより上にいけるという感覚は常に持ってますし、そうでなければいけないと思っています」と語る。どこまでその伸びしろを伸ばせるか。2度目の栄光を勝ち取るための挑戦は続いていく
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