ジェームズ・ハーデン

1位のステフィン・カリーには「誰にも追い付けない」

現地11月17日、クリッパーズはジャズを序盤から圧倒し、一度もリードを与えることなく116-105で勝利した。この試合でジェームズ・ハーデンは20得点6リバウンド11アシスト2スティール2ブロックと大活躍。3ポイントシュートは8本放って2本成功と本調子ではなかったが、それでも偉大な記録を塗り替えた。

試合開始から6分、イビチャ・ズバッツのスクリーンを使ったハーデンが右45度から放った3ポイントシュートが決まり、彼はNBAのキャリア通算3ポイントシュート成功数でレイ・アレンを抜き、単独2位へと躍り出た。

2日前にアレンの2973本に並び、今は2975本となった。「この記録を狙っていたわけじゃなく、ただ日々努力を積み重ねてきた。その成果をコートで発揮し続けることで、この記録に到達したことが誇らしいよ」とハーデンは言う。

「僕はこれまで長い間、この仕事に情熱を注ぎ続けてきた。こうして振り返るとすごい記録だけど、一つひとつ積み重ねたものだ。だから簡単なものだとは思いたくない。プロバスケ選手を目指す子供たちが夢を追いかけるきっかけになってくれればうれしい」

少々悔やまれるのは、このジャズ戦の前はサンダー、2試合連続のロケッツとのアウェーゲームで、もう少しペースが上がっていれば彼にとっての古巣で記録達成を祝うことができたはずなのに、ここに持ち越してしまったことだ。「上手く行かなかったよ」とハーデンは苦笑する。「僕をドラフトで指名してくれたオクラホマシティと、僕が名を馳せたヒューストンのどちらかで記録を達成したかった。でも、また戻って来るから大丈夫さ」

35歳となったハーデンは、ロケッツのエースだった頃のスコアリングマシーンではない。キャリア最盛期の2018-19シーズンには平均得点36.1を記録し、3年連続でリーグ得点王となったが、ロケッツを離れた後はよりバランスの取れたプレーメーカーに転身し、昨シーズンは3ポイントシュートのアテンプトも得点もキャリアハイの半分に落ち込んだ。

今シーズンはカワイ・レナードの戦線離脱で得点を取る比重が増したが、3ポイントシュート成功率は31.4%と低調なまま。それでも、この試合では11アシストを記録してターンオーバーなしと、司令塔としてチームを引っ張っている。

「みんなのためにプレーしている。できるだけ多くシュートを打ちたいと思っているけど、それもチームのためを考えてのことだ。僕がボールをコントロールし、チームメートが簡単にリムを攻められるならそれで良い。僕の持ち味はプレー選択の精度であり、できる限りチームのターンオーバーを減らし、良いシュートでオフェンスを終わらせれば、良い形でディフェンスにも入れる。そうすることが自分の仕事だと思っている」

ハーデンはNBA記録で2位になったが、1位はウォリアーズのステフィン・カリーが3782本と独走状態にある。記録を達成する前にハーデンは「ステフはノーカウント、だから僕がトップだ」と冗談を飛ばしていたが、今回は「僕は自分の実力に自信を持っているけど、正直に言えばステフには誰にも追い付けない」と匙を投げた。

「ステフの記録が塗り替えられるとしたら、僕らがいなくなった後のことだろうね」