ジャ・モラント

トレーニングキャンプを待たず選手が自主トレを開始

長期出場停止明けのジャ・モラントが9試合に出場しただけで肩のケガで手術をすることになったグリズリーズは、昨シーズンを27勝55敗の西カンファレンス11位で終えた。若いチームは急成長を続けていたが、若いからこその安定感のなさも露呈した形だ。しかし、ケガ人が揃って復帰する新シーズンには再びトップ争いをすることが予想されている。

現地10月1日にナッシュビルで始まるトレーニングキャンプに向けて、日本からは河村勇輝が現地に向けて出発した。それでも他の選手たちは一足早くメンフィスに集まり、ワークアウトを行っている。

先日、MLBマイナーリーグのメンフィス・レッドバーズの試合では『グリズリーズ・デイ』が行われ、観客にグリズリーズ仕様のベースボールシャツがプレゼントされるとともに、ルーク・ケナードが始球式を行った。見事な、とまでは言わないまでもマウンドからノーバン投球をキャッチャーミットに収めたケナードは「自分でも上出来だ」と照れくさそうに話し、グリズリーズの選手たちの様子にも触れた。

「もう選手の多くがこの街に戻って来て、互いに顔を合わせたりトレーニングをしている。その意識の高さは今までにないレベルで、お互いを追い込んで競い合っている。この時期に意欲的な練習をして数歩先んじていることは、長いシーズンを戦う上で役に立つ」

また、エースのモラントは夏のワークアウトにザック・イディーが志願して参加したことを明かし、そのパフォーマンスの高さに驚かされたと語る。「間違いなく、今シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーを取るよ」と、メンフィスに戻って来たモラントは言う。

「大学で圧倒的な強さを見せたんだから、驚くには値しない。ワークアウトに来た時、彼はもう準備万端といった感じだった。僕の夏のワークアウトは『ブートキャンプ』と呼ぶぐらいキツいものなんだけど、1週間やり通した。恐らく彼にとっては大きな出来事だったと思う。223cmのサイズがあるのにシュートも上手い。もう彼のことはほとんど分かった。これは大きな武器になると思うよ」

2021-22シーズンに56勝、2022-23シーズンに51勝を挙げて西カンファレンス2位に食い込んだチームは、不完全燃焼に終わった昨シーズンを経て再び成長の軌道に乗ろうとしている。カンファレンスファイナル進出、NBAファイナル進出という高い目標を掲げても、シーズンを通じてバスケに集中し、安定してポテンシャルを発揮できれば不可能ではない。悔しい1年を味わった分、選手たちはリベンジの意欲に燃えている。