比江島慎

取材=丸山素行 構成=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

開催国枠の適用は「日本のバスケットが成長した証」

栃木ブレックスは先週末、千葉ジェッツとの『B1頂上決戦』の最中にあった。5人制バスケットボール日本代表に開催国枠の適用が認められ、東京オリンピック出場が決まったとの報を、比江島は土曜の第1戦を終えた後のホテルで知り、「素直にうれしかったです」と話す。

「当初は開催国枠で出られるイメージは持っていませんでした。ワールドカップ予選でオーストラリアに勝ったりして、世界と戦えることが証明できた、日本のバスケットが成長した証だと思います」

開催国枠の適用については「95%ぐらいは決まりだと思っていたし、与えられなくても自分たちでつかみとればいいと思っていました。今だったらアジア予選を勝ち抜ける自信や技術は、もちろん全員が揃えばですけど、あると思っています」と比江島は言う。

比江島はリオ五輪出場を懸けた世界最終予選を戦った一人。だが、この時はラトビアとチェコに一蹴された。そのラトビアはプエルトリコに、チェコはセルビアに敗れてリオ五輪への出場は果たせず。日本にとっては、ただただ『世界の壁』の高さを痛感させられる敗戦だった。それでも、ここを再出発点と定めた日本代表は約3年間で飛躍的なレベルアップを重ね、比江島はそんなチームを常にエースとして牽引してきた。

世界と戦うことを誰よりも意識する比江島は、東京オリンピックを自身のキャリアの集大成とする意気込みを持ち、あと1年間でどこまで自分の力を伸ばせるかを意識する。「どこの国とやっても戦えるように、ワールドカップでレベルアップして、自国開催のオリンピックで最高の日本代表を見せられればと思います」

まずは今夏のワールドカップ、そして自国開催のオリンピックへ。比江島の挑戦は続く。