篠山竜青

取材・写真=鈴木栄一 構成=鈴木健一郎

「自分のどのプレーも世界レベルには達していない」

バスケットボール男子日本代表の開催国枠での東京オリンピック出場が決まったことを受けて、川崎ブレイブサンダースに所属する日本代表キャプテン、篠山竜青が今日のBリーグの試合後に会見に応じた。

昨日と今日が横浜ビー・コルセアーズとの『神奈川ダービー』だったこともあり、昨日深夜に出場決定の報が流れた時には「寝てました」と話す篠山だが、「朝に起きたらLINEが8件来ていて『決まったな』と。ワールドカップの出場権も得られていて、そこに対する自信もあったので、喜ぶよりもホッとしたという感じが強かった」と感想を語る。

「招致が成功して今まで、バスケット界には様々なことがありましたけど、出場国枠を勝ち取るためにたくさんの方が尽力してくれました。まずはその人たちに感謝の気持ちを伝えたい」

「東京に決まった時は大学4年だったと思うんですけど、その時は『行けたらいいなあ』という夢のような感じでした。それが東芝のチームに入り、Bリーグができて、目まぐるしい環境の変化の中で代表に入ることができて、今は目標にできるところにいるのがうれしいです。そこにたどり着くにはチームメートやスタッフ、家族と、たくさんの人の支えがあるので、その人たちのためにも、決まったからにはオリンピックに出たいという気持ちが強くなりました」

日本代表のキャプテンとして、『日本一丸』を掲げるチームの求心力としてチームを支えてきた自負がある一方で、「いつ代表から外されてもおかしくない」と、激しい競争の中に自分も身を置いていることを常々語る篠山だけに、この夏のワールドカップと来年夏の東京オリンピックまでレベルアップを重ね、周囲よりもさらにレベルアップしなければならないとの決意を新たにしている。

「ワールドカップまで時間はありませんが、自分のどのプレーも世界レベルには達していないと感じています。エラーの少ない選手にならなければいけないと思っています。安全にボールを運べる、ノーマークのシュートは決める選手になっていきたい。そういう安定感をわずかな期間ですけど、意識を高く持ってやっていきたい」

少し気が早いが、オリンピックでの目標を質問された篠山は「開会式でいっぱい映ることじゃないですか(笑)」との答えで取材陣の笑いを取った。「まずはワールドカップなので、オリンピックについてはそれぐらいですね」