堅守を崩せなかったゴンザガ大、八村塁は22得点も及ばずエリート8での敗退に涙

2019/03/31
NBA&海外
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八村塁

文=鈴木栄一 写真=Getty Images

ラスト5分間で八村の得点はなし、接戦を落とす

3月30日、NCAAトーナメントのベスト8で八村塁のゴンザガ大がテキサス工科大と対戦。最後までもつれる激戦となったが、ゴンザガ大は69-75で敗れ、ファイナル4進出を惜しくも逃した。八村は22得点6リバウンド2スティール1ブロックだった。

全米随一のオフェンス力を誇るゴンザガ大、ディフェンス力を有するテキサス工科大による『矛と盾の対決』となったこの試合、ゴンザガ大は八村がチーム最初の9得点のうち7得点と、大事な立ち上がりでエースの役割をしっかり遂行する。

八村の活躍で先手を取ったゴンザガ大だが、オープンショットを連続で外したことでテキサス工科大に反撃の機会を与える。ともにゴール下で思うように得点できないが、一方でともに3ポイントシュートは好調。外角シュートを入れあった結果、前半はゴンザガの37-35と互角で終える。八村は前半でフィールドゴール9本中4本、フリースローは6本中5本を決めて13得点を挙げた。

後半、ゴンザガは前半と同じく八村が出だしで連続得点をマーク。しかし、テキサス工科大も引き続き外角シュートが好調で譲らない。膠着状態が続くが、ゴンザガ大は相手の持ち味である平面での激しいプレッシャーでオフェンスのリズムが崩れ、タフショットが増えることで徐々に得点のペースを落としてしまう。

それでも八村が残り6分から連続得点を挙げて食らい付き、残り5分で58−58と激戦は続いた。だが、この勝負どころでテキサス工科大はここまで当たりがこなかったダビテ・モレッティが連続3ポイントシュートを成功させる。残り1分50秒でゴンザガ大は6点のビハインドを背負った。

なんとか追いつきたいゴンザガ大は、残り1分で八村の3ポイントシュートがブロックされ、さらにこぼれ球が本来ならアウト・オブ・バウンズとなるところで、ジャッジミスがありテキサス工科大のボールになる不運にも見舞われる。それでもここから驚異的な粘りを見せ、スティールからジョシュ・パーキンスが3ポイントシュートを沈め、残り22秒で2点差へと迫った。

たが、ここでゴンザガ大にとってあまりにも悔やまれるミスが起こる。テキサス工科大ボールのインバウンズパスの場面。パーキンスがパスを出すエンドラインの外にいた相手選手に触れてしまう痛恨のテクニカルファウル。これで得たフリースローを着実に沈めたテキサス工科大が激闘に終止符を打った。

八村塁

強豪大のエースを日本人選手が務めたという『偉業』

これで八村の2018-19シーズンは終了。最後は言うまでもなく本人にとって悔いの残る結末となり、号泣する姿が見られた。ゲームハイの得点を挙げたが、試合残り5分以降の得点はゼロ。さらにブロックを2本食らうなど勝負どころで存在感を示せなかった。

インサイドの選手としては大きくはない八村だが、抜群のクイックネスを生かしたドライブとミドルシュートで相手を翻弄してきた。しかし、この日は細身でパワーでは上回るも、208cmの長身に加えリーチの長さと機動力を備えた相手のタリク・オーウェンスにスピード面の優位に立てずに苦戦。そして、ゴンザガのボールムーブメントが悪く、ローポストでなかなかボールをもらえない姿も目立った。

それでも、NCAAのトッププレーヤーの一人として認められる実績を残したのは間違いない。まだ進路は発表されていないが、NBAドラフトエントリーした場合、果たしてどの順位で指名されるのか注目だ。全米有数の強豪大学で正真正銘のエースとして1年を通して活躍と、これまで誰も成し遂げたことがない偉業を達成し、バスケファンに新たな熱狂と楽しみを与えてくれた八村にあらためて感謝したい。