『インテンシティ』対決はA東京に軍配
アルバルク東京vs秋田ノーザンハピネッツのゲーム1。ホームのA東京は秋田の激しいディフェンスに苦しみ前半をビハインドで折り返すも、後半に入ってインテンシティで上回り、84-69で勝利した。
試合開始から3分、A東京はアクシデントに見舞われる。速攻からレイアップを沈めた菊地祥平がバランスを崩し、コート外に倒れ込んだ際に臀部を強打。ベンチに退いた菊地は、その後コートに戻ることはなかった。
4-0と好スタートを切ったA東京だったが、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「前半は秋田のアグレッシブなプレーに押されました」とコメントしたように、秋田の激しさに圧倒され、シュートチャンスで躊躇するなど失速していった。
秋田は信条とする激しいディフェンスで簡単なボール回しを許さず、ディフェンスリバウンドをしっかり保持し、スローダウンさせてロースコアゲームに持ち込む。
中山拓哉の速攻で8-6と逆転した秋田は、ドワイト・コールビーが8得点、カディーム・コールビーが6得点とインサイドで上回り、セカンドユニットも堅守を見せ18-13と先行した。その後も、ディフェンスの強度が落ちない秋田は、3ポイントシュートが5本打って成功なしと、A東京のシュート確率の悪さにも助けられてリードを保ち続けた。
それでも前半終了直前、谷口大智がワンポイント起用に応えて3ポイントシュートを沈めたが、そこで素早いリスタートからミルコ・ビエリツァに3ポイントシュートを決められ、さらに谷口のファウルがコールされる4点プレーを献上した。
前半の強度を保てず、後半に56失点の秋田
秋田を指揮するジョゼップ・クラロス・カナルスが「前半の20分はまあまあの出来だった。だが4ポイントプレーを許したところから崩れてしまった」と言うように、後半に入るとA東京の逆襲が始まる。
その時間帯を牽引したのが安藤誓哉だ。「ハーフタイムで休んでもう一度グッと秋田が来るところを、僕たちが上回らないといけないと思って入った。流れを引き寄せることができた」と語る安藤は、前半の秋田を上回る激しいボールプレッシャーでパス回しを停滞させる。攻撃では安藤のオフェンスリバウンドから竹内譲次の3ポイントシュートに繋げ、スティールからザック・バランスキーのシュートをお膳立て。さらにトランジションから逆転の3ポイントシュート沈めるなど自身の8得点を挙げる活躍も含め、30-19のビッグクォーターを演出した。
秋田も粘り強く戦い続けるが、プレータイムをシェアして常にフレッシュな状態でプレーするA東京とは対照的に疲労の色が濃くなっていく。次第にディフェンスの強度を保てなくなり、さらには前半のようにディフェンスリバウンドが取れず、アレックス・カークにオフェンスリバウンドからイージーシュートの機会を何度も与えてしまった。
田中大貴がクロスオーバードリブルからミドルシュートを沈め、70-57としたところで第4クォーターのオフィシャルタイムアウトを迎えた。秋田はその時点で中山が肩で息をしていたように疲労の色が隠せない。結局、A東京オフェンスを止められないまま試合終了の時間を迎えた。
「後半は秋田を上回るインテンシティで戦えた」
A東京のルカヘッドコーチは「我々はリーグNo.1のインテンシティレベルだと思っている」と、激しさで上回ったことを勝因に挙げた。「今日も選手たちが激しく戦い、勝利することができました。秋田は素晴らしいチームで、エネルギーレベルそしてアグレッシブさが持ち味で、いかにその部分を出させないかがポイントでした。後半はしっかりと対応して、秋田を上回るインテンシティで戦うことができた」
一方、秋田のクラロスヘッドコーチは「先の2試合に比べたら良い試合ができましたし、100%を出してくれて、勝ちたい気持ちが選手から見れた」と一定の評価を与えたが、「後半20分のディフェンスが崩れてしまった」と後半に56失点した部分を敗因に挙げた。
「後半だけを見ると、アルバルクの2ポイントシュートは4本しか外れていない。特にリバウンドの面。相手にオフェンスリバウンドを取られてしまっては走れないし、我々のディフェンスリバウンドは4本しか取れていない。ターンオーバーも全部で20個。それだけ相手にオフェンス機会を与えてしまっている」
A東京は後半にギアを一段上げ、勝利を手にした。明日の第2戦も、インテンシティレベルの高さと継続性が勝負を分けそうだ。
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