吉田亜沙美

文=鈴木健一郎 写真=鈴木栄一

「1年1年の勝負」を続けた上での、現役引退の決断

JX-ENEOSサンフラワーズのキャプテン、吉田亜沙美が現役引退を決めた。3月25日に引退会見を行うことが発表されている。

現在31歳の吉田は2006年の加入からJX-ENEOS一筋で13年間プレーし、Wリーグ11連覇の原動力となった。また日本代表でも長く主力として活躍。悲願だったオリンピック出場を2016年のリオ大会で果たし、先発ポイントガードとして、そしてキャプテンとしてベスト8進出に貢献した。

2014年に負った左膝の前十字靭帯断裂の大ケガから復活を遂げたが、その後は自分の身体と常に相談しながらのプレーを強いられてきた。リオ五輪を終えて2017-18シーズンを終えた時点で、「自分のベストパフォーマンスでプレーできるのは今シーズンが最後」と感じ、一度は引退を考えたことを明かしている。それでもプレーへの気持ちを取り戻し「ここからは1年1年の勝負」という気持ちで現役を続けてきた。

「誰しも必ず引退の時が来ますけど、私には私なりの引退の仕方があると思うので、その時には自分自身と向き合って、納得して決断したい」と語ってきた吉田に、その時が来たようだ。