「日本のようなチームは勢いに乗らせると危険です」
女子日本代表はパリ五輪の初戦で『絶対女王』のアメリカ代表と対戦。前半こそ39-50と食い下がったが、後半に入るとアメリカの高い修正能力を打ち破ることができず、第3クォーターで一気に突き放されてしまい76-102で敗れた。
アメリカ代表を牽引したのはセンターのエイジャ・ウィルソン、フォワードのブリアナ・スチュワートだった。ともにWNBAのシーズンMVPを2度受賞し、そろって193cmのサイズ、優れた走力と高いスキルを備えた両者はウィルソンが24得点13リバウンド4アシスト4ブロック、スチュワートが22得点8リバウンド3アシスト3ブロックを記録と大暴れだった。
特にスチュワートは、速攻のフィ二ッシャーとしてコートを縦横無尽に走った。日本の前から激しく当たるプレッシャーにガード陣が苦しんだ際にはボールプッシュ役も担うなど、スタッツに残らない部分での貢献も光り、世界随一の万能フォワードの本領を存分に発揮した。
『AP通信』によると、試合後スチュワートは「最初の勝利を挙げることができてよかった」と語り、次のように振り返っている。「日本のようなチームは勢いに乗らせると危険で、だからこそ私たちはコート上で信頼関係を築くことが本当に大切なんです。(この試合を終えた)今の私たちは試合中、そして試合後に何をするべきかに関してのスタンダードを分かっています」
日本とアメリカが戦うのは東京五輪の決勝以来だった。日本としては、あの歴史的な一戦からの進化を見せたかったが、アメリカ代表の傑出したタレント力、高いバスケIQによるアジャスト力と遂行力に屈してしまった。
今回が6度目の五輪である大ベテランのダイアナ・トーラジは、日本についてこのように話す。「日本とは少し前、金メダルをかけて戦いました。彼女たちのプレーは異質です。3ポイントシュートが多くて速い。それによって私たちは、いつもと違うスタイルでプレーをさせられます」
そしてトーラジは「私たちが少し対応に苦しんでいた光景を見たと思います。ただ、それに適応することができました」と勝因について語った。
WNBAのシーズン中の五輪開催ということで、アメリカ代表はいつものようにわずかな準備期間で五輪を迎えている。WNBAのシーズン中のため、アメリカ代表はいつものようにわずかな準備期間で五輪を迎えている。それでも、このマイナス要素を全く感じさせない完成度の高さを見せつけた初戦となった。