「フランスは間違いなく高さで勝負してきます」
バスケットボール男子日本代表がパリオリンピックの初戦でワールドカップ王者のドイツと対戦。何度も見せ場を作ったが、後半に失速し77-97で敗れた。
それでも、前半を8点ビハインドで折り返すなど、期待感を持たせる戦いぶりだった。それは渡邊雄太の「前半の戦い方は自分たちが間違いなく成長出来ていると手ごたえを感じました」という、日本バスケットボール協会(JBA)のコメントからも感じ取ることができる。
渡邊は左ふくらはぎの肉離れにより国内の強化試合を欠場。ヨーロッパ遠征でのドイツ戦も出場できず、7月22日のセルビア戦でようやく復帰し、パリオリンピックを迎えた。ほぼ、ぶっつけ本番での試合となったが、渡邊は我々の心配を払拭するプレーを披露。八村塁に次ぐ34分4秒のプレータイムでチームトップとなる4本の3ポイントシュート成功を含む14得点2ブロックを記録と、フル稼働で攻守に存在感を示した。
第2クォーターにはインサイドを攻め立てられ17点のビハインドを背負ったが、渡邊がタフな3ポイントシュートを沈めたことで踏みとどまった。その後、河村勇輝とジョシュ・ホーキンソンのホットラインが機能し、八村もフリースローで繋いだ。悪い流れを払拭した1本を含め、前半だけで13得点を挙げた渡邊の活躍があったからこそ、日本は8点差で試合を折り返せたと言える。
ただ、後半は屈強なセンター陣のパワーアタックやフランツ・ワグナーの個人技を止められないなど、インサイドを強調されたことで失速していった。そのディフェンスでのダメージはオフェンスにも影響したと渡邊は言う。「後半、相手の高さ、パワーで来たところに対応しきれなかった事で体力を奪われてしまい自分たちの足が止まってしまったのは反省点です」
次戦のフランスにはNBAでもトップクラスのリムプロテクト能力を持つビクター・ウェンバニャマとルディ・ゴベアがいる。渡邊も「フランスは間違いなく高さで勝負してきます」と言うが、ドイツ以上の高さを誇る相手に対し平面でのバスケットで対抗するしかないと続ける。「高さを嫌がって自分たちが足を止めてしまったら終わりなので、自分たちからオフェンスを早く仕掛けて相手を疲れさす事が大事になります」
ドイツ戦で成長の一歩を見せた日本。目標とするベスト8進出のためにはフランスからの金星が必要だ。ドイツ戦でも速攻での得点は14-4で上回っているため、トランジションオフェンスをさらに強調し、『ツインタワー』を擁するフランスを超えたいところだ。