比江島慎

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「オリンピック前にやれて良かったと思います」

昨日、8月31日に開幕するワールドカップの組み合わせ抽選が行われ、日本代表は1次グループでトルコ、チェコ、アメリカと対戦することが決まった。この結果について『日本のエース』比江島慎が、今日の栃木ブレックスvs京都ハンナリーズの試合後にコメントしている。

「マジかよ、ですよね。対戦してみたいとは言いましたけど、上を目指すのであれば、当たりたくはない相手ではあるので」

これが組み合わせを見た第一印象。やはり世界1位のアメリカと当たることが、比江島にとっても大きなインパクトとなった。「実感は沸いてないですけど、イメージでプレーしてもうまくいかない。良いイメージは正直ないです。基本、僕は性格的にネガティブなので、これでボロ負けしたらどうしよう、せっかく注目度も高まっているのに、という思いもあります」

それでも「感情的には複雑ですけど、一夜明けて今は冷静になって楽しみです」と今はアメリカ戦も前向きにとらえており、チェコとトルコに対しては勝つつもりでいる。

特にチェコは2016年のリオ五輪最終予選で当たった相手。「そこでも善戦したので、勝てるかもしれないですし。あまり自分のプレーができなかったので、そこで成長したプレーを見せてみたい。接戦で、最後の最後に突き放された展開でした。その時は(渡邊)雄太とか田臥(勇太)さんもいたんですけど、(八村)塁とかニック(ファジーカス)がいればイメージは沸きます」

「この組み合わせで良かったというわけではないです。本当に上を狙いに行くのであれば難しい組み合わせかもしれないですけど、アメリカとやれるのは本当に貴重な経験です。オリンピック前にやれて良かったと思います」

実際、アメリカ撃破は予選で勝ったオーストラリアとは別次元で難しい。トルコとチェコに勝つことが現実的な目標となるが、そこで比江島がポジティブなイメージを持っているのは心強い。8月31日の開幕まで、長いようで準備期間は短い。比江島はもちろん、日本代表がチームとしてどのような準備を整えてこの日を迎えるのか。楽しみに待ちたい。