Bridges

4年契約を結べるチャンスで、100億以上のディスカウントとなる2年の短期契約を選択か

先日、ニックスはエースのジェイレン・ブランソンと4年総額1億5650万ドル(約245億円)での契約延長に合意した。ブランソンは来オフに5年総額2億6900万ドル(約420億円)の大型契約を結ぶことができたが、ニックスのサラリーキャップにゆとりを作り補強に柔軟性をもたらすため、現段階での契約延長とチーム愛を示した。

そしてNBAインサイダーのマーク・ステイン氏は、ブランソンに続き今オフにトレードで加入したミケル・ブリッジズも、ブランソンと同様にチームにとってありがたい契約を結ぶ予定と報じた。

現在、ブリッジズは4年総額9000万ドル(約140億円)の契約を2年残している状況で、2024-25シーズンが2330万ドル(約36億円)、2025-26シーズンが2490万ドル(約39億円)と見られている。そして10月1日以降、彼は2年総額7250万ドル(約110億円)の契約延長が可能となるが、来オフには4年総額1億5600万ドル(約240億円)の契約を結べる予定だ。当然、収入の最大化を考えれば4年契約を選択するのだが、ステイン氏はブリッジズが2年契約を選ぶと見ている。

ブランソンに続き、ブリッジズも譲歩してくれるとなれば、ニックスは2025-26シーズンが契約最終年となるミッチェル・ロビンソンとの契約延長に向けサラリーキャップの空きを生み出せる。そうなれば今後、4年、5年スパンで優勝を狙える競争力を持ったロスターを維持できる。

ブランソンのディスカウント契約は、自身をエースに抜擢したニックスへの感謝も大きな理由にあるだろう。一方、ブリッジズは今オフにネッツからトレードで加入する選手でまだニックスに愛着が生まれてはいない。ただ、ニックスにはブリッジズが大切にしたい繋がりがある。

ブリッジズは、ブランソンと同じビラノバ大出身の同級生。2018年にはブランソンが平均得点でチームトップ、ブリッジズが2位、さらにドンテ・ディビンチェンゾが3位と揃って中心選手としてNCAAトーナメント優勝に母校を導いた。また、ジョシュ・ハートもビラノバ出身で彼が3年生、他の3名が1年生の2016年にも同大は全米チャンピオンに輝いている。

ビジネス優先のドライな判断が当然のプロスポーツの世界において、大学時代の友情を巨額の富よりも大切にするビラノバOBたちの献身もあり、ニックスは着実に総合力を高めている。