ステフィン・カリー

写真=Getty Images

デュラントも称賛「マイアミに欠かせない存在」

ドウェイン・ウェイドに決勝3ポイントシュートを決められ、試合に敗れたにもかかわらず、ウォリアーズの選手たちは笑顔だった。それは、去りゆくレジェンドの素晴らしいプレーを目の当たりにし、試合に負けた悔しさより、称えたい気持ちの方が上回ったからだった。

試合後にウェイドと言葉を交わしたステフィン・カリーは「笑顔で話していただけ。僕たちからしたら、腹が立った状態での笑顔と言うべきかな」とコメント。とはいえ、カリーの発言からは、ウェイドに対する尊敬、愛情しか感じられなかった。

「でも、彼にとって最後のシーズンで、この会場で、今日のようなプレーを決めるなんて、特別なこと。本当なら、僕たちと対戦する試合以外で、彼がスコアラーのテーブルに飛び乗る姿を見たかったよ。でも、象徴的なシーンだった。負けたけれど、目にすることができて良かったと心から思う。今日のような瞬間に立ち会うと、彼がどれだけ偉大な存在なのか、改めて分かる。それが自分たちとの試合だったのが残念だけれど」

ケビン・デュラントも、カリーと同様にウェイドに対するリスペクトの気持ちを述べた。

「(ウェイドとの最後の対戦について)今まで考えてもいなかった。彼にやられたから、試合のことだけ考えていたよ。素晴らしい選手で、人としても素晴らしい。中学の頃から見ていた選手だからね。マイアミで素晴らしいキャリアを送って、優勝も果たした選手。マイアミに欠かせない存在。それは、選手としてもリスペクトしている部分だね。きっと彼は、今日のような形で去っていくのだろうね。自分が見てきた中でも、引退するシーズンにベストと言える成績を残す形で。本当に素晴らしい。Dウェイドのことが大好きなんだ」

身体が続く限り現役を続ける美学もあれば、ウェイドのように、余力を残したままコートを去る生き方もある。ヒートはまだプレーオフに進出する可能性を残しているが、ウェイドの『ラストダンス』は、最終章に突入した。