アミア・ジョンソン

写真=Getty Images

指揮官も称賛「彼の姿勢をこの上なく尊敬する」

セブンティシクサーズのアミア・ジョンソンは、今シーズンがキャリア14年目の大ベテラン。昨シーズンはルーズボール、テイクチャージ、相手のパスコースに手を伸ばしてディフレクトの誘発、スクリーンなどスタッツに表れないプレーでの貢献が認められ、ハッスル賞を受賞した選手だ。

2005年のドラフト全体56位で指名を受けた選手ながら、いまだにNBAチームでプレーできているのは、チームに求められることを実行できるだけの技術、辛抱強さ、謙虚な姿勢を備えているからに他ならない。そのジョンソンが、先週、自ら志願してGリーグの試合に出場した。その理由もまた、彼らしかった。

昨シーズンは平均15.8分のプレータイムを得たジョンソンだが、今シーズンは新人のジョナ・ボルデン、先日クリッパーズから獲得したボバン・マリヤノビッチに出場機会を与えられている影響で、平均9.4分にまで出場時間が減った。普通なら気持ちが切れ、精神的に腐ってしまっても不思議ではないのだが、ジョンソンの考えは違った。

シクサーズは、先発センターのジョエル・エンビードがひざの負傷によりチームを離れている。1月26日のナゲッツ戦以来コートに立っていなかったジョンソンは、いつチームから呼ばれても大丈夫なように、自らGリーグの試合出場を希望した。

急な話だったため、デラウェア・ブルーコートでは99番のジャージーを身に着け、彼は2月22日のメイン・レッドクローズ戦に先発出場した。27分プレーし、15得点7リバウンドを記録した。ジョンソンは、今回の出場について「いつだってグッドシェイプを保っていないといけないんだ。自分は、毎日練習して、身体の準備を整えているから給料をもらえている。僕も良い状態を維持したいからね。チームが必要な時に備えておきたい。プレーするのも大好きだしね」とコメント。

また、「なんのためにやっているのかを忘れてはダメ。スポーツの世界で成長するに連れて、何か具体的なことのためにやっているのかもしれないけれど、幼い頃は大好きだからやっていたんだ。そういう気持ちに戻ることも必要なのさ」とも語った。

シクサーズの指揮官ブレット・ブラウンは、ジョンソンの姿勢を称賛し、こう述べた。「金曜の夜に自分で1時間かけて運転して、バスケットボールをプレーしたがるNBAキャリア14年のベテランが、どれだけいるだろうか? とても稀なことだ。しかし、彼の姿勢をこの上なく尊敬する。そういうことまで考えてやっているなんて、素晴らしい」

「(Gリーグでのプレーは)彼の考え方、人柄を表している。自分のエゴを捨てて行動している証。単にバスケットボールをプレーしたかったから、彼はそうした。本当に素晴らしい。尊敬する」

Gリーグでの試合に出場した翌日、ジョンソンはホームでのトレイルブレイザーズ戦に4分出場した。まさに、プロの鑑だ。