竹内譲次

文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

堅守から走る展開に持ち込む『日本のバスケ』を展開

長く厳しいワールドカップ予選の最終戦。バスケットボール日本代表は敵地でのカタール戦を、「勝てば予選突破決定」の状況で迎えた。

立ち上がりは相手のディフェンスの激しさに押されるも、相手にもイージーシュートのチャンスを与えずに主導権を渡さない。オフェンスリバウンドを奪ったニック・ファジーカスのゴール下、リバウンドから走った田中大貴がレイアップに持って行くことで押し返す。相手にタイムアウトを取らせた再開後も、田中のスティールから速攻に転じて譲次のダンクと、トランジションオフェンスでカタールを圧倒。6分間を無得点で切り抜ける10-0のランで勢いに乗った。

第2クォーターの立ち上がり、辻直人と富樫勇樹の連続3ポイントシュートで23-8と突き放す。2人はその後も思い切りの良い3ポイントシュートを立て続けに決めてカタールのゾーンディフェンスを攻略する。

42-25で迎えた後半も、トランジションから作ったコーナースリーのチャンスを張本天傑が決めて日本が先手を取る。残り7分、田中がミドルシュートを沈めて50-30と20点差。相手のターンオーバーから富樫、張本、比江島と繋ぐファストブレイクも飛び出す。ファンブルでボールを失いかけた篠山竜青が、クロックのないところで無理やり放った3ポイントシュートが決まる幸運もあり64-34と大量リードで最終クォーターへ。

すでにセーフティーリードは保っていたが、先のイラン戦では登録外だったベンドラメ礼生も含めた全員のローテーションで強度を保ち、篠山がビッグマン相手にルーズボールに飛び込むなど気迫で上回り、カタールに付け入る隙を与えない。

最後は馬場雄大のダンクも飛び出し最終スコアは96-48、4つのクォーターすべてで上回る完勝で日本代表が勝利。4連敗スタートから奇跡的な8連勝でワールドカップ出場権を勝ち取った。