エースが30得点「勝つために必要なことは何でもする」
キャバリアーズがプレーオフの初戦でマジックを破った。マジックはハードワークに支えられた堅守を武器にプレーオフ進出を勝ち取ったチームだが、キャブズは精神的にも肉体的にもタフに戦い、マジックのお株を奪うような戦いぶりで97-83と快勝している。
レブロン・ジェームズ退団後に若手中心の再建に乗り出したキャブズは、昨シーズンに久々のプレーオフ進出を果たしたものの、プレーオフの強度に全く対応できずにニックス相手にあっさり敗退している。レギュラーシーズンはその反省を生かし、タフに戦う準備に費やす1年だった。
ハードワークが自慢のマジックに一歩も引かずに戦い、相手が得意とするロースコアの展開に足を踏み入れて激しい攻防を繰り広げながら、ドノバン・ミッチェルのエースムーブによる30得点が違いを生み出した。レギュラーシーズン後半はケガが多くコンスタントにプレーできたわけではないが、このプレーオフに合わせてコンディションを高めてきた。
「もう昨シーズンとは違うんだ。これが僕らがシーズンを通して求めてきた姿だ」とミッチェルはチームのパフォーマンスを称える。
「楽に勝てたとは思わない。第3クォーターには危険な時間帯があって、あそこからう展開してもおかしくなかった。でも、昨シーズンからいるメンバーはその怖さを知っているし、そこでどう対応すべきかを学んできた。ターンオーバーしたら、悪いオフェンスを作ったら、シュートを外したら、リバウンドを取られてしまったら……。少しのことで一気に流れを持っていかれてしまうところで、今日は素晴らしい対応ができた。そしてそこからまた学ぶ。試合からまた糧を得て次の試合に臨むんだ」
実際、マジックは第4クォーターに20点のビハインドを背負っても決してあきらず、逆に攻守のエネルギーをさらに増して戦い続け、残り7分半にフランツ・バグナーの3ポイントシュートで9点差に追い上げて勝機を見いだそうとした。
それでもそこでキャブズは受け身にならず、一つひとつのポゼッションでハードに戦い続けた。そして残り4分44秒、ミッチェルがダリアス・ガーランドのアシストを受けて3ポイントシュートを沈めて88-74とリードを奪い返し、その後も最後まで集中を切らさなかった。
ミッチェルは自分自身のパフォーマンスにも満足していたが、それは30得点を記録したことではなく、タフに戦い続けたからだと言う。「今日のパフォーマンスがこの1年での僕のメッセージのようなものだ」と彼は言う。「10得点だったとしても同じことを言うよ。勝つために必要なことは何でもする。その仕事ができればそれでいいんだ」