世界ランク2位のオーストラリア代表と互角に渡り合った髙田真希、その実力
2016/05/13 17:00

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

高さと強さではなく、スピードと駆け引きへと意識を切り替えて本領発揮。

5月7日、9日、10日と、オーストラリア代表を相手に4日間で3試合を戦った女子日本代表。結果は3連敗だったが、そのパフォーマンスは試合を重ねるごとに向上し、8月のリオ五輪本大会に向けたチーム作りに良い結果をもたらしたと言える。

この3試合を通して最も優れたパフォーマンスを見せたのが髙田真希だ。間宮佑圭と王新朝喜が務めるセンターとインサイドで連携を取り、圧倒的な高さと強さを誇るオーストラリア代表と渡り合った。

もっとも、第1戦での髙田は13得点こそ及第点だがリバウンドはわずか2つしか取れず、身長205センチの「巨人」、キャンベージ・エリザベスを中心とするオーストラリア代表のインサイド陣に終始苦戦を強いられた。

新潟・長岡から東京・代々木へと舞台を移した第2戦も立ち上がりは同様で、前半はまさかの無得点。高さのある相手に打ち勝とうとゴール下で強引なプレーに走り、相手の術中にはまる悪循環に陥っていた。

しかし、後半に入ると髙田は見違えるようなプレーを見せ始める。高さと強さではなく、スピードと駆け引きで勝負するよう意識を切り替えた結果だ。髙田はパワーフォワードではあるが、その枠に収まらないシュートレンジが持ち味。インサイドではあってもゴール下ではない、相手ディフェンスのギャップにパスを呼び込んでは、寄せられる前にジャンプシュートを放ち、決めた。

第3ピリオドだけで7本中5本のシュートを決めて10得点を記録。初戦に続き大差を付けられて意気消沈していた日本代表に、再び闘志の火を灯した。第2戦は55-81で敗れたが、後半だけなら39-39の同点。勢いならむしろ日本が上だった。

それでも、試合後の髙田からは反省のコメントばかりが出てきた。「前半、ノーマークのジャンプシュートを落としたりして、チームに悪い流れを持っていってしまいました。前半からしっかりゲームを作れるよう修正します」

翌日の第3戦、髙田はそのコメント通りに修正し、試合開始から攻守に積極的なプレーを見せる。オーストラリアの高さと強さは相変わらず圧倒的で、すべての局面で勝てたわけではないが、間宮と髙田のコンビは時にぶつかり合い、また時には駆け引きで相手を出し抜いて、互角の戦いを演じた。

試合後、髙田は第3戦の立ち上がりをこう振り返った。「立ち上がりが大事だとチームで話し合っていました。スタメンで出ている以上は、最初からしっかりやらなければいけないと。第1ピリオドの入りからしっかりやれば、このレベルの相手とも競ることができます」

日本代表は攻めでも守りでも受け身にならず、自分らしいプレーを貫いた。その結果、ファウルがかさんで苦しんだ第2戦とは対照的に、第3戦ではオーストラリアがファウルを連発することになった。本川紗奈生が栗原三佳が、そして髙田が積極的にスペースを突くフリーランを繰り返せば、選択肢が増えることで吉田亜沙美のパスも冴えが増してくる。こうして、日本代表はFIBAランク2位のオーストラリアを相手に終盤まで競り合う大健闘を見せたのだ。

オーストラリア相手に13得点、14得点、22得点。苦しみながらも髙田はしっかりと結果を残して見せた。

「やっているバスケは3試合通して変わりません」と髙田は言う。「言い訳になりますが、試合勘は大事です。試合に慣れてきたこと、相手の高さやパワーに慣れてきたことで、それぞれが自分のプレーを出せるようになって、良い流れに持っていけました」

第3戦、髙田は22得点を挙げた。さらには9リバウンドも記録。これはキャンベージやトールボット・ステファニーを上回るゲームハイ。この試合では、オーストラリアの34に対し日本は41と、リバウンドの数で上回った。高さで勝てなくても、ポジショニングと運動量、そしてチームワークでリバウンドを制したのである。

第3戦でさらに驚くスタッツは、37分37秒もの間、髙田がコートに立っていたことだ。第1戦は30分38秒、第2戦は29分15秒、そして第3戦がこの37分37秒。3戦すべてにおいて髙田が両チーム最長の出場時間を記録している。内海知秀ヘッドコーチにとって、まさに替えの利かない存在ということだろう。

出場時間について訪ねると「走り込んでいるので大丈夫です。使ってもらっているので、その時間は期待に応えたいです」と髙田は答えた。「本当は40分間、活躍できる選手というのが理想です」

WNBA参戦中の渡嘉敷来夢が日本代表に戻って来たら、パワーフォワードのポジションは髙田と重なる。だが、渡嘉敷を持ってしても髙田をベンチに座らせておくのは惜しい。そう思わずにはいられないオーストラリアとの3連戦だった。いずれにしても、ポジション争いが激しければ激しいほど、チームのレベルは上がる。渡嘉敷と髙田、この2人がいる「4番」は間違いなく日本代表の大きな武器になるだろう。

女子日本代表国際強化試合の結果
第1戦 日本41-80オーストラリア
第2戦 日本55-81オーストラリア
第3戦 日本73-84オーストラリア

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