[CLOSE UP]馬場雄大(筑波大)ダンク3本で日本代表鮮烈デビュー!「イランの同世代に負けてなんていられない!」

2017/02/11
日本代表
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文・写真=小永吉陽子

日本代表デビュー戦、初得点はスティールからのダンク!

鮮烈な日本代表デビューだった。硬さからミスが続きイランの先行で始まった第1クォーター。流れを変えたのは開始5分にシックスマンとして登場した馬場雄大(筑波大3年)のスティールからの豪快なダンクだった。

「初めての日本代表。21歳で一番下なのでフレッシュマンらしくやろうと思いました。ディフェンスはギャンブル的なところもあったけれど、積極的に行けたのがよかった」と試合後に語る馬場があげたスタッツは18分57秒のプレータイムで9得点5スティール3リバウンド1ブロック、そしてダンク3本と堂々としたもの。日本代表での初得点がダンクであることを含め、その躍動感は強烈なインパクトを残した。

1月のオールジャパン終了後、馬場は大学のオフシーズンにBリーグの特別指定選手ではなく、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチと、佐藤晃一スポーツパフォーマンスコーチの下で身体作りと個人技量を磨く『ワークアウト』をすることを選んだ。

重点強化選手に選出された時の面談において、「将来的に海外でプレーしたい、ポイントガードに挑戦したい」旨を相談すると、パヴィチェヴィッチHCから「個人スキルをもっと磨いたほうがいい」と個人ワークアウトを勧められたのだ。

馬場が持つ身体能力の高さ、とくに、コートの端から端までトップスピードで走ってダンクをぶちかます能力は、Bリーグを見渡しても図抜けている。だがパヴィチェヴィッチHCからは「まだ本能だけでプレーしている」ことを強く指摘されていた。ハンドリングやアウトサイドのシュート力、そして状況判断力が備われば、馬場の持っている身体能力の高さや走力がさらに生かされることは間違いない。かくして、1月11日から2月2日までの3週間、パヴィチェヴィッチHCとマンツーマンでの3部練習が始まった。

試合後、馬場にワークアウトでの成果を聞いてみると、一番手応えがあったプレーは3本のダンクシュートではなく、第4クォーター終盤に決めた82点目のジャンプシュートであることを明かした。ダンクについては「いつもやっているプレーなので意識せずにゴールに向かえた」と言うが、ジャンプシュートは課題だったプレーの一つ。「あれはルカコーチと1対1でたくさん練習したシュートなんです。ボールをもらってからディフェンスを見ての判断がよく打てたので、少しは身についてきたと思う」と手応えを語った。

パヴィチェヴィッチHCは、当面は馬場をアウトサイドのプレーヤーとして育てる方針だという。「馬場は現状のスキルではポイントガードをやっては持ち味が出せずに苦労する。個人のスキルを磨きながら、2番と3番のポジション(シューティングガードとスモールフォワード)でしっかりと状況判断できるプレーをすることが先決」と言いながら、愛弟子の活躍にうれしそうな表情を見せた。

アジアで敗れたライバル「イランの同世代に負けられない!」

馬場がハッスルした理由は日の丸デビュー戦であることに加え、もう一つ燃えるべき理由があった。イラン代表で同世代の選手が多くプレーしていることだ。

今回来日したイラン代表は平均21.2歳と非常に若いチーム。2月上旬に終了した西アジア選手権に出場した主力が6名来日しているが、この10年間を牽引してきたキャリア組は代表活動から一時退き、現在は世代交代を進めている。その中でポイントガードのサッジャド・マシァイェキィとフォワードのヴァヒド・ダリザハン、シックスマンで出てきたサーレフ・フルターニック、また今回はケガでプレーできないが、イランの得点源に成長しているベフナム・ヤックチェハリは馬場と同世代。日本でいえば大学3~4年生にあたる選手なのだ。

忘れもしない2012年の夏。キャプテンを務めた渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大)が高校3年、馬場が2年生の時に出場したU-18アジア選手権の3位決定戦。3位までに与えられる世界選手権の切符を目指して戦った日本は、イランに惜しくも4点差で敗れて涙を飲んでいる。その時の主力4人が今回のメンバーとして来日しているのだ。しかもそのうち2人はU-18アジア選手権後の直後、東京で開催されたアジアカップで初の代表に選出され、以後、若手の代表戦にもシニアの代表戦にも、必ず招集されては経験を積んでいる選手たち。彼らはイランの将来を背負う世代なのだ。

「他の国には同世代で代表に入って活躍している選手がいることは聞いていたのですが、実際にイランの同世代と対戦して、アイツらには負けていられないと燃えてきました。アイツらは早くから代表の経験をしていて、僕はここからがスタートなので、もう一歩も引いてなんかいられません!」

そう、語気を強めて決意を語る馬場のダイナミックな躍動感は、イランの同世代にとっても脅威な存在に映ったはずだ。オールコートを展開できる21歳の新戦力、馬場雄大。彼が持つ破壊力は間違いなく日本を成長させる。今後への希望の道筋が見えた日の丸デビュー戦だった。