ケビン・デュラント

「調子が良くても悪くても勝たなきゃいけない」

サンズは現地4月9日にホームでクリッパーズと対戦し、第2クォーター序盤に最大37点差を付けられる低調なパフォーマンスを見せた。後半からは立ち直り、最終的には92-105と13点差に収めたものの、48分間を通じて収穫のない試合で、本拠地フットプリント・センターにはブーイングが鳴り響いた。

それから一夜明け、今度はロサンゼルスに舞台を移して再びクリッパーズと対戦した。クリッパーズは前日にプレーオフ進出を確定させ、2日連続の試合とあって主力を休ませた。前日の時点でカワイ・レナードとジェームズ・ハーデンが不在だったが、この試合ではポール・ジョージもラッセル・ウェストブルックも、イビチャ・ズバッツもノーマン・パウエルも欠場。スタメンには普段は十分なプレータイムをもらえない選手の名が並んだ。

対するサンズはプレーオフに向けてシード順を一つでも上げるべく、そして前夜の汚名をそそぐべく良いパフォーマンスが必要で、臀部を痛めているグレイソン・アレンは休ませたが、デビン・ブッカー、ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールの『ビッグ3』は揃って出場し、前日に休養していたユスフ・ヌルキッチも先発出場した。

ところが開始3分で2-10と相手のペースに持ち込まれ、第4クォーターまで接戦が続くことに。特に若いボーンズ・ハイランドの果敢なアタックを止められずに37得点9アシストを許した。サンズは第4クォーターを32-15として辻褄を合わせて124-108で勝利したが、すっきりした勝ち方ができたとは言い難い。

ケビン・デュラントは「ボーンズはスピードがあって長い腕でシュートを決められる、もともと良い選手なんだ。信頼して使ってあげればいつだって結果を出せる。先発で起用されて張り切ってもいた」とボーンズのパフォーマンスを称賛した。「彼のような選手が才能を披露する姿を見るのはうれしいけど、ウチとの試合でなければ良いんだけどね」

デュラントは24得点9リバウンド3アシストを記録。試合には勝ったが、満足のいくパフォーマンスができたとは言い難い。シーズン前半には揃わなかった『ビッグ3』が一緒にプレーできるようにはなったが、最適な攻守のバランスを見いだせないままレギュラーシーズンを終えようとしている。

「最初は3ポイントシュートばかり打ちすぎて良くなかった」とデュラントは2試合連続で相手に先手を取られたことを反省する。前半の彼は3ポイントシュート6本をすべて外し8得点とリズムに乗れなかった。「でも、この時期に言い訳はできない。調子が良くても悪くても勝たなきゃいけない。僕がペイントに入って相手にプレッシャーを掛けたところから、少しずつゲームをコントロールできるようになり、終盤にはシュートも決まるようになった」

「そして試合展開にかかわらずディフェンスを頑張ったつもりだ。僕はオフェンスにもディフェンスにも集中し、互いに良い影響を与えたい。ディフェンスに集中することで苦しい状況を打開できることは、何年も前から分かっている。そうすることで、難しい状況があっても前に進み続めるし、自分への自信を失わずにいられる」

気分の良い快勝とはいかなかったが、とにかく連敗を止めることはできた。サンズの残り試合は2つで、キングス、ティンバーウルブズと強敵との対戦を残すが、1勝すれば8位以内が確定する。サンズとしては内容も大事だが、それ以上にきっちり勝ち星を重ねて、チームを取り巻く雰囲気を良いものにしてポストシーズンを迎えたいところだ。