マリーク・モンク

「選手層の厚さをここで示さなければ」

キングスは肩のケガで欠場が続いていた先発シューティングガードのケビン・ハーターが、手術を選択してシーズン終了となった。この発表の翌日となる現地3月29日、同じシューティングガードのマリーク・モンクがこれに続くことになった。

第1クォーター途中に投入されたモンクが1分半後にアクシデントに遭遇した。ユーロステップでハリソン・バーンズをかわしたルカ・ドンチッチを止めるためにゴール下にカバーに入ったモンクは、ドンチッチと激しく衝突。この時、モンクの体重が圧しかかった右膝の上にドンチッチが倒れてきた。助けを借りずに歩くことはできたが、プレーは続けられず。診断の結果は膝内側側副靱帯の捻挫で、復帰までに4週間から6週間を擁するとのこと。

26歳のモンクは、シックスマンとしてシーズン平均15.4得点(チーム3位)を記録している。リーグ最高のクラッチプレーヤーの一人であるディアロン・フォックスを擁するキングスでは、モンクの試合終盤の勝負強さも大きな武器となっている。彼がいない影響は早速マブス戦の終盤で表れた。序盤からずっとリードを保つ試合展開だったが第4クォーターに反撃を浴び、同点で迎えた残り2分半から得点を奪うことができずに103-107で競り負けた。

勝てば6位マブスと1ゲーム差、しかも勝敗で並んだ際に上位に行けるタイブレーカーを得られる機会だっただけに、痛い逆転負けとなった。しかもモンクはプレーオフに間に合わない可能性もある。ヘッドコーチのマイク・ブラウンは試合後、「ケガについては詳細が分からないから何とも言えない。次の選手にステップアップしてもらうしかないが、マリークの穴を埋めることはできない」とコメントしている。

ハーター離脱後、シューティングガードの先発は2年目のキーオン・エリスが務め、先発を任されるようになった直近の5試合で10.4得点と上々の活躍を見せている。エリスをメインに据えて、デイビオン・ミッチェルとクリス・ドゥアルテでシューティングガードは回していくことになりそうだが、モンクの勝負強さを穴埋めするのは簡単ではない。

守備の職人であるミッチェルは「僕らにとってはチャンスと受け止めたい」と語る。「選手層の厚さをここで示さなければ。(2月のトレードで)ドゥアルテが加わってチーム内競争は激しくなっている。ケスラー(エドワーズ)も調子が良い。僕らは常に『ネクスト・マン・アップ』のメンタリティでやっていくよ」

ミッチェルもドゥアルテも得点力を武器とする選手ではない。得点を補うべくモチベーションを高めているのが先発パワーフォワードのキーガン・マレーだ。「僕がシュートを打つ機会は増えるだろうね。マリークはシックスマン賞の候補で、その穴を埋めるのは簡単じゃないけど、ベストを尽くすつもりだ」とマレーは話す。

同じポジションで主力選手2人を欠くダメージは大きいが、チームには『ネクスト・マン・アップ』のメンタリティが根付いている。誰か一人の頑張りではモンクの穴は埋まらないかもしれないが、彼らはチームとしてそれぞれの役割を補い、この難局を乗り越えようとしている。

キングスは現在42勝31敗で西カンファレンスの8位。プレーオフのストレートインとなる6位までは2ゲーム差で、レギュラーシーズン残り9試合でひっくり返すのは難しくなってきたが、まだチャンスは残されている。プレーオフを勝ち進んでいけば、モンクの復帰が間に合うかもしれない。キングスにとってはチームの総合力が問われる正念場だ。