現在マジックは東カンファレンスの5位につけており、このままの順位をキープすればプレー・イン・トーナメントを回避し、2020年以来のプレーオフ出場が決まる。さらに3位のキャバリアーズとのゲーム差も1.5と逆転可能な範囲内だ。

現地23日に行われたホームでのキングス戦、マジックは107-109と惜しくも敗れた。その前のペリカンズ戦を121-106と快勝しており、ここでキングスを撃破できれば西カンファレンスの強豪相手に価値ある連勝で大きな弾みがつくところだった。司令塔のコール・アンソニーは、「プレーオフ経験のあるチーム相手に、プレーオフに向けた良い練習となった。チケット売り切れの会場で、プレーオフのような雰囲気で、大きな学びを得た」と話した。

今シーズンの大きな躍進を受け、ジャマール・モズリーヘッドコーチを、最優秀コーチ賞へと推す声は多い。そしてアンソニーは、もちろんモズリーがこの栄誉に値する活躍を見せていると考えている。モズリー就任1年目から一緒に戦ってきたアンソニーは、指揮官の成長に太鼓判を押す。

「おそらく僕たちは、昨シーズンから増やした勝利の数はリーグトップ3に入る。2年連続で大きなジャンプアップを遂げているんだ。ここまでのチームの軌跡を見れば、彼が前進していることが分かる。僕たちは、ロースターがほとんど変わっていないが、その中で僕たち全員が良くなっているのは間違いない。そして彼も、コーチとして良くなっているのは明らかだ」

モズリー就任1年目となる一昨年のマジックは22勝、昨シーズンは34勝で、今シーズンは現時点で42勝。この右肩上がりの躍進をもたらした最大の原動力はディフェンスで、今シーズンはここまでリーグ3位の平均108.8失点、ディフェンスレーティングは2位の好成績だ。アンソニーは、モズリーの一貫性した姿勢にも大きな信頼を寄せる。

「彼はチームに来た初日から、『私たちはディフェンスマインドのチームになる。ディフェンスで相手を打ち負かす』と言っていた。彼はチームに継続性と常に110%をコートで出すことを求める」

シュートは水物かつ、同じ相手との連戦が続くプレーオフではより対策を立てやすくな る。だからこそ、ディフェンスは大舞台でより重要性を増し、これが強いマジックにはダークホースとしての期待がかかる。かつてニックスなどで活躍した父・グレッグと同じように、闘争心あふれるハードなディフェンスでチームに活力を与えるアンソニーのプレーも楽しみだ。