ペイトン・プリチャード

今オフの契約延長には懐疑的な見方も、控えガードとして自己ベストの内容

セルティックスは、2位以下に大差をつけてイースタンカンファレンス首位に立ち、2009年以来となるレギュラーシーズン60勝超えが濃厚だ。

プレーオフに向けて文句なしの状態に仕上がってきているセルティックスを支えるのは、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、クリスタプス・ポルジンギス、ドリュー・ホリデー、デリック・ホワイト、アル・ホーフォードだ。だが、スタッツ面において傑出したものはないが、ペイトン・プリチャード、サム・ハウザー、ルーク・コーネットらの貢献も見逃すことはできない。彼らのような注目されていない脇役たちの献身的なプレーがあってこそ、今の快進撃が生まれている。

26歳のプリチャードは、2020年のドラフト1巡全体26位でセルティックスに指名された生え抜きだ。昨シーズンは、48試合出場で平均5.6得点、1.8リバウンド、1.3アシストと自己ワーストの数字に終わったこともあり、今シーズン開幕前に43000万ドル(約45億円)で契約延長を結んだ際には多少なりとも驚きの声が挙がっていた。しかし、今シーズンはここまで71試合出場で平均8.7得点、3.2リバウンド、3.1アシストを記録。控えガードの1番手を務め、スタッツ以上のインパクトを与えている。

人気解説者である元NBA選手のJJ・レディックは、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Old Man and the Three』で、プリチャードについて次のように言及している。「セルティックスのSNS以外で、この選手はあまり愛されていないようだ。でもこの前、ミルウォーキーとの試合を見ていて、ペイトン・プリチャードがコートに入ってくると、チームのエナジーが変わり、試合の流れが変わったと感じた」

レディックはさらに、プリチャードへの賞賛を続けた。「プリチャードは試合ごとに求められることが違う。その中で、彼は3ポイントシュートの成功率が39%で、ターンオーバーに対するアシストの割合はほぼ1:5と素晴らしい。リバウンドを取り、アシストを決め、限られた時間の中で効果的に得点を取っている。そして彼は生粋のバスケ選手で、競争するのが好きな選手と僕は見ている。素晴らしいシーズンを送っているよね」

冒頭で紹介した『ビッグ6』がセルティクスのコアメンバーであり、プレーオフでも彼らが主体となって戦い続けることに変わりはない。だが、ファイナルまでの厳しい道のりを勝ち抜くためには、より高い総合力が求められる。攻守にわたるエナジー全開のハッスルプレーと、非凡な長距離砲を備えるプリチャードが、プレーオフになってからスポットライトを浴びたとしてもそれは驚くべきことではない。