トム・ホーバス

ウェンバンヤマに対し「富樫(勇樹)がマッチアップする」とのジョークが飛び出す場面も

『パリ2024オリンピック競技大会』における5人制バスケットボールの組み合わせ抽選が行われ、グループフェーズ(予選ラウンド)の組分けが決定し、男子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチが取材に対応した。

日本(FIBAランキング26位)はワールドカップ優勝国のドイツ(同3位)、開催国のフランス(同9位)と同じグループに入った。指揮官はこのように今回の組み合わせについて語った。「去年のワールドカップでオリンピックの出場は決まりましたが、今日まで相手はまだ決まっていなかったので、その準備も全然できませんでした。ドイツとフランスは昨年も試合をした相手であり、チームスタイルが分かっているのは助けになります。ワールドカップでも初戦はドイツで、彼らがワールドチャンピオンになりました。そのドイツ戦の前半は大きな得点差をつけられましたが、後半の20分間だけの得点では上回ることができ、選手たちも自信をつけ、その経験が生かされると思っています」

ドイツ戦の後には、開催国のフランスと対戦する。NBAで活躍する選手を多数抱える強豪でホームコートアドバンテージもあるが、ワールドカップで結果を残せなかったことを例に出し、付け入るスキはあると考えている。「東京オリンピックは銀メダルだったけど、ワールドカップは18位だった。チームも選手も力はありますが、チームの波(安定感)はどこまでか。フランスのメディアを見て、去年の問題は何だったのか、どう直してくるかを確認したい」

フランスには、今年のNBAドラフトで全体1位指名されたビクター・ウェンバンヤマがいる。身長224cmながら3ポイントシュートも打つことができ、ハンドリングスキルも兼ね備える世界屈指の選手だ。それでもホーバスコーチは「富樫(勇樹)がマッチアップする」とジョークを言いつつ、チームバスケで対抗したいと語った。「ウェンビーは身長もあって良い選手。でもウェンビーだけじゃ勝てない。ウェンビーと(ルディ)ゴベアは一緒に出ないと思うけど、何をするかは分かりません。マッチアップを考えるのが好きです。日本の速さ、チームバスケットで勝てるかチャレンジです」

そして、ドイツ、フランスの順に戦い、最後にラトビア開催のOQT(オリンピック世界最終予選)の勝者と対戦する、この組み合わせも日本の追い風になると見ている。「去年のドイツは少しずつ強くなってワールドカップで優勝しました。最初に試合がドイツなのは悪くないし、フランスが第2ゲームになるのも悪くないです。ラトビアのグループは3番目に対戦するので、オリンピックの間にスカウティングできます。バスケットはアジャストメントできないと勝てないので、オリンピックの間にアジャストメントし、ショック・ザ・ワールド(世界に衝撃を与える)したいです」

なお日本の3戦目の相手はジョージア、フィリピン、ラトビア、ブラジル、カメルーン、モンテネグロのうち、2024年7月2日~7日に開催されるOQTを勝ち抜いた1チームとなる。「結果が出てから考える」と指揮官が言うように、まずはドイツ、フランス戦に注力した準備をスタートする。