指揮官の『爆発』で目覚めた千葉ジェッツ、ハードワークと一体感を取り戻し横浜ビー・コールセアーズを撃破

2017/02/05
Bリーグ&国内
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文=大島和人 写真=B.LEAGUE

『出だしの悪さ』という悪癖がまた出た千葉、指揮官が激怒

千葉ジェッツは1月上旬のオールジャパンで初優勝を果たしたものの、再開後のリーグ戦では3勝3敗と停滞中。4日の横浜ビー・コルセアーズ戦も残り1.7秒のアタックから川村卓也に勝ち越し点を決められ敗戦を喫した。

さらにチームは第1クォーターに試合運びに大きな課題を抱えていた。富樫勇樹は「オールジャパンが始まる前から第1クォーターの出だしは課題だった。レギュラーシーズンでいうと10試合くらい、第1クォーターで勝っている記憶がない」と顔を曇らせる。

5日の再戦でも、千葉は試合開始から川村のレイアップを皮切りに0-8まで走られてしまう。ファイ・パプ月瑠も6得点5リバウンドと奮闘し、10-17とビハインドを背負って第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ると石井講祐の3連続得点などで19-17と一度は逆転したものの、横浜が再び巻き返す。川村は外からのシュートに加えて、果敢なドライブでも相手の守備を崩して前半は10得点5アシスト。横浜が37-31とリードして試合を折り返した。

千葉の大野篤史ヘッドコーチは前半の展開と、ハーフタイムの出来事について、少し際どい表現で振り返る。「ここ何試合かはクソみたいな第1クォーターの入りをしている。シュートが落ちる落ちないはどうでもよくて、自分たちのベース、普遍的なモノを表現できてないところにすごい苛立ちがあって、今日のハーフタイムは爆発してしまった」

小野龍猛キャプテンによると「今年2回目。1回目のA東京戦(昨年10月8日)以来」という大野ヘッドコーチ、そしてアシスタントコーチのカルバン・オールダムによる『爆発』だったという。

ロッカールームで選手に何を伝えたか、大野ヘッドコーチはこう明かす。「『頑張っているってみんな思ってる? 頑張るって誰でもしているんだよ? ハードワークはそういうことじゃない。自分たちがどうありたいのか、どうあるべきか、そしてどうなりたいのか……。協働的にバスケットをすることを目指して今までやってきたのに、この20分は何?』という話をした」

「何に向かって努力しているのか? どういう目標を持ってバスケットに取り組んでいるのか? それを見せてくれ、と言いました」。その口調をそのまま伝えられないのは残念だが、試合後の記者会見になってもまだ『熱』は残っていた。

小野の自信「後半みたいな戦いをすればどこにでも勝てる」

後半、千葉のバスケットの内容に変化があった。小野はこう説明する。「みんなでボールをシェアして、回しながらプレーしようというコールを多くした。後半の出だしはパスがよく回ったと思います。ディフェンスを前から当たって、リバウンドを取って走るバスケットができた」

富樫が「第1クォーターと第3クォーターは同じメンバーでも全然違うチームに見えると思う」と振り返るように、後半は前半と逆の展開になった。千葉は2分足らずで8得点を挙げる原修太の活躍で勢いづくと、さらにポイントを重ねて一気に逆転する。

第3クォーターの千葉は小野が10分間で7アシストの好演出を見せ、タイラー・ストーン、石井と満遍なくポイントを重ねて一挙に29得点。残り1分31秒には富樫からストーン、小野と回して石井がオープンな状態から3ポイントシュートを決め、さらに得点を重ねて60-47で第3クォ―ターを終える。この時点で千葉は連続15得点のランだった。

小野は「パスを回して、最後にもう一つエクストラパスを出せば空いている選手がいる。そういうのが今日は出て、良いバスケットができた」と第3クォーターの収穫を口にする。

第4クォーターに入ると富樫、ヒルトン・アームストロングを温存。それでもマイケル・パーカー、阿部友和といったベンチメンバーが守備でチームを支えて、優勢は揺るがない。

横浜はインサイドの軸で、この日も17得点9リバウンドの活躍を見せていたジェイソン・ウォッシュバーンが残り1分02秒のプレーで負傷してしまう。左足首を抑えてコートに倒れ込み、そのまま担架に乗って運び出された。今季中の復帰は難しいのではないかと思える傷み方だった。

後半に立て直した千葉がそのまま78-65で横浜を下し、前日のリベンジを果たしている。オールジャパン後に苦しんでいる中で、良い兆しの見える後半の展開だった。

小野は『勝者のメンタリティ』についてこう説く。「オールジャパンを取ったということで、良い意味で天狗になってほしい。相手に対して自分たちが上だという気持ちは持っていいし、初めてタイトルを取ったことにも自信を持っていい。それを試合で良い方向につなげたい」

タイトルで得た自信を冷静さ、ハードワークの糧と変えることができれば、千葉は一つ上のステージに進めるだろう。小野は併せて柔軟性の重要性を口にした。「前半は一つのことをやろうとしすぎていた。後半みたいに全体が見えればパスも回るし、次どこを見ればいいだろう? というのも分かる。それをチーム全体で見えればベスト」

一方ではこうも言う。「後半みたいな戦いをすれば、どこにでも勝てる。そういう戦いを今後はずっとしていければ」

代表ウィークを挟み、千葉は次節に名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェーで、横浜は秋田ノーザンハピネッツとアウェーで対戦する。