ジェイレン・ブランソンが復帰へ「順調に回復」
ニックスはOG・アヌノビー獲得の効果で1月は14勝2敗と快進撃を見せたが、現地1月27日のヒート戦でジュリアス・ランドルが肩、OG・アヌノビーが肘を痛めて戦線離脱となり、2月以降は4勝9敗と失速した。ミッチェル・ロビンソンも足首のケガで3か月間プレーできておらず、3月3日のキャバリアーズ戦では開始1分でジェイレン・ブランソンが膝をケガした。
スターター4人を失うのは悪夢でしかないが、不幸中の幸いだったのはブランソンに靭帯や半月板の損傷がなく、捻挫だけで済んだこと。キャブズ戦でケガをして、続くホークス戦は欠場となったが、間もなく復帰できる。ブランソンは常にニックスのバスケの中心で疲労の蓄積も大きかったはずなだけに、ここで休養を挟むことができたのはプレーオフに向けてプラスとなる──そう言えるのも彼が軽傷で済んだからだ。
ジョシュ・ハートは親友でもあるブランソンの状態を「練習では良い感じに見えた」と言う。「足を引きずったり、膝を気にする素振りはなかった。順調に回復しているのは間違いないし、問題がなければ次のマジックとの試合に間に合う」
肘を手術したアヌノビーも回復し、すでに5対5の練習メニューもこなしており、あとは最終的な復帰許可が出ればコートに戻って来られる。ランドルは軽いコンタクトのある練習を始めており、ロビンソンはランニングとジャンプができるようになった。ランドルもロビンソンもレギュラーシーズン中の復帰を目指している。
ハートは同じフォワードとしてケガ人の穴を埋めており、ランドルとアヌノビーがケガをするまでは平均29分だったハートのプレータイムは2月以降は40分近くにまで伸びている。「選手なら誰でも、ずっとコートに立ち続けたいものだ。プレータイムがもっと欲しいと思っていたから、今はその通りになっている。でも、みんなが復帰すれば30分ぐらいに戻るだろうし、そうなったらペース配分を考えて自分をセーブする必要なくアグレッシブにプレーできる」とハートは言う。
全員が復帰してコンディションを整えれば1月の強さが蘇る。そうなればプレーオフでも上位進出が狙える。2月上旬にピストンズからトレードで加入したボーヤン・ボグダノビッチは、いまだランドル、アヌノビー、ロビンソンとプレーしていない。ケガ人が復帰して実戦のリズムを取り戻すとともに、プレーオフまでに連携を再確認すること。そしてこの1か月で落とした順位を再び上げることが、レギュラーシーズンのラスト1か月の目標となる。
ボグダノビッチは「戦線離脱している選手たちは、プレーはできなくても僕らを助けてくれている。コミュニケーションは取れているから、一緒にコートに立つのが楽しみだ。機能するまでにそれほど時間はかからないと思う。何試合か一緒にやれば、僕らは大丈夫だ」
今の順位は5位で、4位マジックとは0.5ゲーム差。下を見れば6位のヒートと7位のセブンティシクサーズ、8位のペイサーズはそれぞれ0.5ゲーム差という大混戦で、残り20試合でどんな変動もあり得る。現地3月8日にはマジックとプレーオフのホーム開催となる4位を争う直接対決がある。それに続くのはシクサーズとの連戦だ。レギュラーシーズンの山場となる3試合はいずれもマディソン・スクエア・ガーデンでのホームゲーム。ここにブランソンの回復が間に合うのは大きい。
指揮官トム・シボドーは言う。「マジックは5連勝していて、ここ10試合で8勝している。本当に良いバスケをやっている。我々にとっては大きなチャレンジだが、ベストを尽くす。相手も同じように全力でぶつかってくるだろう。良い試合になるのは間違いない」
ニックスはマジック相手に今シーズン3戦全敗。レギュラーシーズン終了時点で勝率で並べばニックスが下になる。ここまでの3試合のリベンジも含め、ニックスにとっては絶対負けられない試合となる。