グレイディ・ディック

ラジャコビッチHCは「これは始まりに過ぎない」とさらなる進化に自信

現地2月26日、ラプターズはアウェーでペイサーズと対戦。大黒柱のスコッティ・バーンズが21得点12リバウンド12アシストのトリプル・ダブル達成に加え、5選手が15得点以上を挙げるバランスのとれたオフェンスにより130-122で勝利した。

これでラプターズは、オールスターブレイク明けから3連勝。試合後のロッカールームでは「ピザ!」の合唱が起こった。ダーコ・ラジャコビッチヘッドコーチは「3連勝したらみんなを夕食に連れていくと話していた。だが、このチームは謙虚だから『(リーズナブルな)ピザにしよう』と言ったんだよ」とその理由を明かした。

この試合、バーンズと共に光るプレーを見せたのが新人のグレイディ・ディック。23分出場、フィールドゴール9本中7本成功の18得点5リバウンドをマークした。ディックは昨シーズン、カンザス大で1年生にして中心を担い、平均14.1得点、3ポイントシュート成功率40.3%5.1リバウンドを記録。将来性豊かなシューターとして、昨年のドラフト1巡全体13位でラプターズに入団した。

今シーズン、ディックはここまで36試合で平均15.5分、5.9得点、1.7リバウンドを記録。シーズン序盤はNBAへの適応に苦しんだが、特に2月に入ってからパフォーマンスが向上しており、18得点を挙げるのはここ5試合で3度目だ。

ラジャコビッチヘッドコーチは「これは始まりに過ぎない」と、ディックのさらなる成長に自信を持っている。「ここまで良い試合もあれば悪い試合もあった。ただ、彼は勝利を重ね、学んでより良くなっていく必要がある」

ディック本人は、好調の秘訣に外角シュートの成功率アップがあると考えている。2月に行われた11試合で3ポイントシュート成功率45.1%。確率よく3ポイントシュートを決めることで、インサイドにも効果的にアタックできている。

ディックはこう語る。「今は気分よくプレーできている。僕はルーキーで、全ての試合で異なるレッスンを受けているところなんだ。アウトサイドから何本か決めたら、相手はより間合いを詰めて守ってくる。それによってバックドアなどでゴール下のスペースを生かすことができる」

また、ディックはチームメイトへの感謝も強調する。特にこの試合も大暴れだったバーンズについては「彼が相手を引きつけてくれるおかげで、僕は自分のプレーができている。これからは彼を同じように助けられたら良いね」と話した。

シーズン途中にOG・アヌノビー、パスカル・シアカムを放出し、バーンズ、RJ・バレットを中心とするチームへと生まれ変わったラプターズ。世代交代を断行したチームにおいて、ディックもコアメンバーの一員になれる能力の持ち主であることを証明しつつある。