ラッセル・ウェストブルック

写真=Getty Images

NBA史上9例目、ジョージもトリプル・ダブルを達成

サンダーのラッセル・ウェストブルックが、2月11日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行われたトレイルブレイザーズ戦で21得点14リバウンド11アシストを記録し、史上初となる10試合連続トリプル・ダブルを達成した。

試合後のウェストブルックは「信じられない」とコメント。「自分に何ができるかは分かっているし、プレーして、どういう結果になっても、それはそれと思っている。自分がNBAでプレーして、メディアの前でしゃべる姿すら夢にも見たことがなかったから、あらゆる瞬間に感謝しているんだ。このロッカールームに入るたびに、自分の名前がある幸せを感じる。ただそれだけで幸せなんだ。日々生きて、仕事があって、ジャージーを着られて、背中には自分の名前まで入っている。それは本当に幸せなことだし、子供の頃にだって夢に見たことがないことなんだ」

ウェストブルックは、第4クォーター残り7分を切った時点でトリプル・ダブルまでアシストが5つ足りない状態だった。助け舟を出したのは、強い絆で結ばれたポール・ジョージだった。ウェストブルックからのパスをフィニッシュさせ続けたジョージが、残り3分52秒に3ポイントシュートを成功させた瞬間、前人未到の大記録が誕生した。

しかし、ウェストブルックにとっての記念試合は、これだけでは終わらない。

ジョージもキャリア3度目のトリプル・ダブルまであと1アシストに迫っていたことに気づいたウェストブルックは、残り51.8秒、ジョージからのパスを右ウィングで受けると3ポイントシュートを決め、2人が揃ってトリプル・ダブルを達成。直後、2人はコート中央付近で飛び上がり、身体をぶつけて喜び合った。

ジョージが「あのプレーは話し合っていたんだ。最初はどういう意味か分からなかった。そうしたらラスが説明してくれてね。自分がトリプル・ダブルをお膳立てしてもらう側になるのも悪くなかったよ」と語れば、ウェストブルックもこう話す。「チームメート、自分の兄弟のような仲間のために何かできるのなら、なんてことない。毎試合で自分がやっていることだからね。このチームの全員のために最善を尽くしている。仲間が喜んでくれることなら、身体を張ってやる。それが自分という人間だから」

同一チームの2選手が同じ試合でトリプル・ダブルを達成したのは、彼らがNBA史上9例目。2人とも20得点超えでのトリプル・ダブルは、史上初のケースとなった。

昨年の夏にフリーエージェントになったジョージは、地元ロサンゼルスのレイカーズに移籍するのではなく、昨シーズンを通じて強い絆で結ばれたウェストブルックがいるサンダー残留を決断し、周囲を驚かせた。今シーズンは、ジョージがステップアップしてオフェンスのファーストオプションを担当。これによりウェストブルックの負担が軽くなり、リーグ屈指のデュオがさらに上のレベルに到達した。2人での優勝が目標なのは言うまでもないが、この試合も、彼らの記憶に生涯残る瞬間になったに違いない。