ジョシュ・ホーキンソン

苦しい台所事情で「特に第2戦の第4クォーターは、一番疲れが出ている状況」

サンロッカーズ渋谷は第23節、島根スサノオマジックとアウェーで対戦した。第1戦は68-63で逆転勝ちしたものの、第2戦はリードを守り切れず60-66で敗れ、バイウィークを迎えた。

田中大貴、ライアン・ケリーらを欠く中、日本代表候補に名を連ねるジョシュ・ホーキンソンが奮闘。島根のオーストラリア代表ニック・ケイとのマッチアップで互角に渡り合い、健在のパフォーマンスを見せた。

第1戦は第4クォーターに3ポイントシュートのフェイクからユーロステップでバスケット・カウントを奪うと、逆転に成功した残り2分40秒にはホーキンソンがケイのペイントエリアのレイアップをブロック。そして5点リードの場面で速攻から再びバスケット・カウントを奪うと、終盤にはピック&ロールからフローターを決めて勝利を決定付けた。

翌日の第2戦はケイがオーストラリア代表のプライドを示した。3ポイントシュート4本中3本を沈め、残り36秒には安藤誓哉のレイアップがこぼれたボールをプットバックしてバスケット・カウントを奪い、SR渋谷の連勝を阻止した。

ホーキンソンはリーグ3位の得点力(1試合平均83.3点)を誇る島根に対し、「良いチームなのは分かっていました。前半はやりたいことができていた」と、持ち味のディフェンスで前半を28-24のロースコアに持ち込んだ展開を評価した。しかし、第3クォーターにはこの日最大となる10点差までリードを広げた直後に0-8のランを許しただけに、「試合の流れを相手に渡してしまった」と反省しきりだった。出場時間は第1戦が38分3秒、第2戦は39分11秒。「島根に終盤にビッグプレーを決められた」と、最後は疲労を隠せなかった。

ホーキンソンとケイがコートで顔を合わせたのは昨年8月のワールドカップ、オーストラリア戦以来。日本代表ではセンターで起用されるため、パワーフォワードのケイとマッチアップしなかったが、今節はほとんどの時間で対峙した。ホーキンソンは敵ながらケイの実力を称賛する。「あらためてものすごく良い選手だなと思いました。いろいろな面で自分よりも少しずつ上回られている印象です。シュートもうまいし、リバウントも取れる。尊敬する部分があります。対戦するのは本当に楽しい」

2試合のスタッツはケイの12.5得点、9.0リバウンド、3.0アシスト、1.0スティールに対し、ホーキンソンは14.0得点、11.0リバウンド、3.5アシスト、1.0ブロックと互角以上。ただ、シーズン平均17.0得点のケイを第1戦で7得点に抑えたが、第2戦は18点を許したことが勝敗に直結したと言える。

指揮官にルカ・パヴィチェヴィッチを招聘し、ホーキンソンに加え、アルバルク東京から田中も獲得。大型補強に成功したSR渋谷だが、故障者が相次ぎ、現在21勝18敗で中地区3位に留まっている。田中は急性腰痛で第21節から、ケリーは今節にコンディション不良で欠場した。ホーキンソンは「本当に人数がいない中、さらに人数が少なくなった中でのゲームです。特に第2戦の第4クォーターは、一番疲れが出ている状況。交代選手もいない、辛い状況になってしまうのはしょうがなかった。それでもタフに戦ったのは間違いない」と、1勝1敗の痛み分けに終わった2試合を振り返った。

ジョシュ・ホーキンソン

代表合宿参加へ「お互いの強みを発揮したい」

タフに、献身的にプレーする姿は日本代表でもSR渋谷でも変わりない。ホーキンソンは2日間を通じてルーズボールやリバウンドで身体を張るのはもちろん、トランジションでもリムランでブレイクに加わった。ハーフコートオフェンスでは効果的にスクリーンをかけ、ポストでダブルチームを受けると、即座にスキップパスを飛ばして島根の守備を崩し、SR渋谷の屋台骨として健在ぶりを示した。

2月12日からアジアカップ予選に向けた代表合宿に参加している。22日にグアム戦、25日には中国戦が控える。今回は千葉ジェッツの富樫勇樹や長崎ヴェルカの馬場雄大らの他、2023年9月に帰化した佐賀バルーナーズのジョシュ・ハレルソンや仙台89ERSの阿部諒がトム・ホーバス体制で初参加した。

「あのワールドカップを戦ったメンバーと顔を合わせるし、今までプレーしたことがない選手たちも加わります。お互いの強みを発揮しながら代表で活躍できたら。代表活動はいつも楽しいので、合宿の練習からとても楽しみです」

ホーキンソンはそう声を弾ませる。再び世界を驚かせる、パリ五輪に向けた競争に胸を高鳴らせていた。