ブラッドリー・ビール

「結果を追い求めるだけのヤツにはならない」

現地2月6日、サンズはバックスに114-106で勝利した。バックスはデイミアン・リラードとブルック・ロペスが欠場。パット・カナートンが急造ポイントガードとなり、ローテ外のロビン・ロペスがスタートで出場したが、先発2人の穴は埋まらない。ベンチから出るローテーションプレーヤーのキャメロン・ペインとボビー・ポーティスは良いプレーをしていたが、48分間を通して安定感が出るはずもなく、さらにクリス・ミドルトンも試合序盤でケガをして8分しか出場できず。バックスにとっては厳しすぎる試合だった。

それだけコンディションの悪いチームが相手であっても、サンズの好調ぶりは目立った。ケビン・デュラントは守備ではヤニス・アデトクンボのマークを担当し、攻めては28得点を記録。デビン・ブッカーは34得点、ブラッドリー・ビールは25得点。3人のフィールドゴール試投数は21か22と、『ビッグ3』がバランスの良いオフェンスを展開した。

ケガ人続出のバックスの窮状は、サンズにとっては少し前の自分たちを見る思いだっただろう。大型補強を行いながらケガ人が続出し、勝率5割ラインを行ったり来たりの苦しい状況が続いた。それでも年末からビールがコンスタントにプレーするようになると、チームは少しずつ調子を上げていく。クリスマスの時点で勝率5割だったチームは、これで30勝21敗と西カンファレンスの第2グループから抜け出し、プレーオフのストレートインとなる6位につけている。

サンズの躍進に貢献してトレードされたペインは、フェニックスの観客に温かく迎え入れられたが、試合ではビールの執拗な攻めに晒されることになった。ビールは22本中10本のシュートを決めて25得点、さらに10リバウンド3アシスト3スティールと攻守に活躍。2日前には古巣ウィザーズ戦で43得点と大爆発と本調子を取り戻している。

ビールは自分の復調に手応えを感じるとともに、プレーを楽しめるようになっている。「今日はみんなアグレッシブな姿勢で試合に入れた。それは攻守両面でプレーを良くしてくれる」と語る。ペイサーズ戦で相手選手と接触して鼻を痛め、フェイスガードをしてのプレーを余儀なくされているが、「鼻はまだ痛いんだけど、呼吸は問題なくできている」と、さほど気にしていない。「視界が遮られて、特にパスをもらう時にはボールが見づらい。でも、シュートは打つ瞬間にバスケっとが見えていれば問題ない。試合に出る以上は、それを言い訳にするつもりはないよ。手術するかもしれないけど、それはオールスター休暇の時だね」

今のビールはプレーできる喜びを楽しんでおり、「僕は健康な身体で試合会場に来て、みんなと同じ時間が過ごせるのがうれしいんだ」と語る。「またプレーできるようになって幸せだ。子供の頃はお金なんかもらわなくても、好きだからバスケをやっていた。今の僕には、子供の頃みたいに純粋にプレーを楽しむ感覚がある。好調の理由があるとしたらそれだろうね。楽しんでいる時は最高のプレーができるものさ」

「僕たちは世界で最も素晴らしい仕事をしている。プレッシャーもあるけど、僕らはバスケをプレーして、シュートは決まるか外れるかのどちらかしかないけど、そのプロセスを楽しむ。結果を追い求めるだけのヤツにはならないようにしたい。長いシーズンをチームメートと過ごすうちに楽しい時はいっぱいあるんだから、そのプロセスを楽しみたい」