アーロン・ゴードン

コールドウェル・ポープ「守備にプライドを」

セルティックスとナゲッツの今シーズン初となる対戦は『NBAファイナル前哨戦』と呼ぶに相応しい緊迫した展開の末、ナゲッツが102-100で勝利した。

ジャマール・マレーが35得点8リバウンド5アシスト、ニコラ・ヨキッチが34得点12リバウンド9アシストと、ナゲッツの両エースがスタッツを残したが、それ以上に目立ったのはクラッチタイムでの粘り強いディフェンスだった。

第4クォーター残り3分半にヨキッチが得意のフローターを沈めてナゲッツが99-98と逆転。続くヨキッチのシュートは外れるも、そのリバウンドにタイミング良く飛び込んだマイケル・ポーターJr.が押し込んでリードを広げる。セルティックスもオフェンスリバウンドを拾ってブラウンとデリック・ホワイトが立て続けに3ポイントシュートを放つも決まらない。

リバウンドから走ったジェイソン・テイタムがアーロン・ゴードンとヨキッチを寄せ付けずトップスピードでのダンクを決めたが、そこからテイタムにはケンテイビアス・コールドウェル・ポープが目を離さずへばり付いた。残り17秒、さらに残り3秒のラストチャンスもセルティックスはテイタムにチャンスを託したが、コールドウェル・ポープが十分な体勢でのシュートを打たせず、ナゲッツがわずかなリードを守り切った。

ナゲッツを率いるマイケル・マローンは、これまで何度も称えてきたようにコールドウェル・ポープのディフェンスを称え、「特別な仕事のできる選手だ」と語る。コールドウェル・ポープ本人も「僕はディフェンスにプライドを持っている。自分のマッチアップだけじゃなく、チームのディフェンスすべてにおいてプライドを持っているんだ」と言う。

「テイタムは偉大な選手であり、彼をマークするのは難しい挑戦だからこそ楽しい。その気持ちがいつも以上のプレーに繋がり、抑えることができたんだと思う」

テイタムに窮屈なプレーを強いてシュートを落とさせたラストプレーを「テイタムはファウルを誘っていたんだと思う。それに対してローポストで粘り強く守ってシュートコンテストに行けた」と振り返る。「試合のラスト5分間はやっぱり大切で、そこでフィジカルにプレーすること、ディフェンス、リバウンドを怠ってはならない。2日前のセブンティシクサーズ戦では、勝たなければいけない展開だったのに最後の5分で台無しにしてしまった。その経験があっただけに、自分たちが何をすべきかは分かっていたよ。フィジカルに徹すること、ターンオーバーをせずに得点を奪うことだ」

セルティックスにとっては今シーズン21試合目にして初のホームでの黒星であり、昨シーズンから続くTDガーデンでの連勝が27で途切れる悔しい結果となった。ラスト4分50秒での得点はテイタムのダンクによる2点のみ、最後はタイムアウトを使ってテイタムのシュートを2度アレンジしたが、いずれも得点は奪えなかった。最後のテイタムの2本のシュートについて指揮官ジョー・マズーラは「リムに向かっては行けていた。あとで見直したいが、悪くないシュートだったと思う。あとは決めるだけだった」とコメントした。

手痛い敗戦であっても、これはセルティックスの面々の気持ちに火をつけたようだ。デリック・ホワイトは「彼らが王者なのには理由がある。僕らは勝つために十分なプレーができなかった。ただ、そこから学んで成長するための時間は十分にある」と言う。そしてクリスタプス・ポルジンギスは「ポストシーズンで対戦すれば最高のゲームになるのは間違いなしだ」と語った。ポストシーズンでの対戦、すなわちNBAファイナルでの激突は実現するのか──。気の早い話ではあるが、そんな期待感の生まれる緊張感溢れるゲームだった。