リッキー・ルビオ

ドノバン・ミッチェル「同じ時間を共有できて良かった」

リッキー・ルビオは現地1月4日にNBAキャリアからの引退を明らかにした。2009年のNBAドラフト1巡目5位でティンバーウルブズに指名されたルビオは、2011-12シーズンにNBAデビューを果たし、卓越したスキルとコートビジョン、創造性溢れるパスでリーグでも異彩を放ってきた。ウルブズで6シーズンを過ごした後は、ジャズ、サンズ、再びウルブズを経てキャバリアーズへ。ただ、スペイン代表での2019年のワールドカップ優勝をピークに、彼のキャリアは下降線をたどった。

メインストリームを外れた彼は、不本意なトレードに翻弄されることに。サンズの再建にモチベーションを見いだしていたところでクリス・ポールのトレードに巻き込まれ、その2日後にはサンダーからウルブズへ、翌年にはキャバリアーズへと1年で3度トレードされた。この時にはスペインの『Marca』に「もう疲れた。僕は安定したキャリアを求めているのに」と、辛い心境を訴えている。

キャブズでは再び若手の成長を手助けすることをモチベーションとしてダリアス・ガーランドを始めとする選手を指南しつつ、彼自身もコンディションを上げて円熟のプレーメークを披露し、「この10年で最高のプレーができている」と彼自身が語るほどに調子を上げていたのだが、そのタイミングで左膝前十字靭帯断裂の大ケガを負ってしまう。2021年の年末の出来事だった。1年がかりで復帰を果たすも、メンタルヘルスの問題に取り組むために選手としての活動を休止。そして今回、キャブズとの契約を解除して、NBAキャリアに区切りをつけた。

彼は今回のリリースで、まだメンタルヘルスの問題には取り組んでいるところで、日々良くなっていることを明かすとともに「皆さんの愛とサポートに感謝を」と、これまで自分を支えた人々へのお礼をつづっている。

ドノバン・ミッチェルは、ジャズとキャブズでルビオとともにプレーした。特にルーキーからの2年間は、ルビオに多くのことを教わったと感謝している。その彼はルビオの決断を知り、こうコメントしている。「ようやく彼も一息つけるんだと思う。彼の代弁をするわけじゃないけど、ほとんどの場合、この決断を下すまでは苦しいもの。彼がスペインで家族と過ごし、家族と一緒の時間が増えるのは良いことだと思う」

「リッキーはこれまで僕が出会った中で最も純粋な人だ。キャブズでもジャズでも、在籍したすべての場所でチームのためにベストを尽くしてきた。僕は彼に心から感謝しているんだ。何度も言ってきたけど、何度言っても足りない。彼と同じ時間を共有できて良かった」

彼はまだ自分自身の問題に向き合い、彼自身と家族のためにこれを乗り越えなければならない。ミッチェルに限らず、ルビオと一緒にプレーした多くの人が、彼のこの先の幸福を願っている。