ケイド・カニングハム

「2勝26敗は僕らの実力を示していないと思う」

ピストンズの連敗が止まらない。現地12月21日のホームゲームの相手は、エースであるラウリ・マルカネンを始め、ジョーダン・クラークソンにテイレン・ホートン・タッカー、キヤンテ・ジョージと主力の多くをケガで欠くジャズだった。ジャズ自体も10勝18敗と勝てているわけではなく、連敗を止める格好の機会だった。

第2クォーター序盤に最大13点のビハインドを背負ったが、ピストンズは粘り強い戦いで接戦に持ち込む。第3クォーター終了時点で88-90と差はわずか2点。第4クォーターに入っても、ピストンズはジャズに食らい付き、残り3分を切ったところでジェイデン・アイビーのフリースロー2本が決まり106-110と詰め寄る。ただ、ここでピストンズの選手たちは効率の良いプレーを意識しすぎたのか、それとも勝てる状況でプレッシャーを感じてしまったのか、ボールへの執着心が突如として消えてしまった。

ケリー・オリニクに3ポイントシュートを決められたのは、オフェンスリバウンドに誰も飛び込まず、外で待つオリニクにボールが出ても誰も追いかけなかったから。さらにジョン・コリンズがレイアップを外したところで、飛び込んできたコリン・セクストンを誰もケアしておらず、ティップショットで押し込まれた。この連続得点で106-115とされたピストンズは、残り1分半でタイムアウトを取る。負けに負け続けたチームの選手たちに、ここから押し返す気力はなかった。

最終スコア111-119で、ピストンズは敗れた。最終クォーターに3ポイントシュートが10本中1本しか決まず得点に苦しんだが、それ以上に勝負どころで攻守のインテンシティが落ちてしまう悪癖は、ピストンズの大きな敗因になっている。

両チームで誰よりも長い39分間コートに立ち、28得点6リバウンド10アシストとチームを引っ張ったケイド・カニングハムは「勝てるチャンスがあったのに、最後の最後で十分なプレーができなかった」と言う。彼が見る自分のスタッツは得点でもアシストでもなく、6を記録したターンオーバーであり、「僕より得点の多い選手がいないのは自分の責任だと感じている」と沈痛な面持ちを見せた。

NBAの連敗記録は、2014-15シーズンから翌シーズンにかけてのセブンティシクサーズが記録した28連敗。続いて2010-11シーズンのキャバリアーズと2013-14シーズンのシクサーズの26連敗がある。ピストンズはこれで25連敗で、不名誉な記録の頂点がいよいよ見えてきた。ただ、この試合の負けが確実なものとなった時点で、デトロイトのファンからは「チームを売れ!」の言葉が投げかけられた。

連敗記録を受けてカニングハムは「ただ1試合に勝てばいいとは思っていない。継続的な強さを身に着けて、たくさんの試合に勝てるチームになりたい。不名誉な記録を作る側になんて、誰もいたくはないんだ」と言う。「だから今日は勝たなきゃいけなかったんだけど、できなかった。また次の試合で、今回よりもっと集中して、もっと堅実にプレーしなきゃいけない」

「2勝26敗は僕らの実力を示していないと思う。もっとやれるはずだ」