夏のインターハイ、秋の国体(下級生が選抜チームの一員として出場)とU18トップリーグを制した京都精華学園高校女子が見据えるのは、ウインターカップ連覇と年間4冠だ。司令塔で主将の堀内桜花と、U16、U18日本代表の八木悠香はともに中高一貫で成長。今大会が6年間の集大成となる。2人の言葉からは、勝った経験よりも1年時のウインターカップで桜花学園に敗れた後悔が先に出てくる。準決勝で対戦する可能性が高い大阪薫英女学院には今年2度敗れた。あくまでチャレンジャーとして最後の冬に臨む。
「チャレンジャーとしてプレッシャーは感じていません」
ーー今年のチームの振り返りを。
八木 新チームになって、去年とは違う色のチームになりました。大阪薫英女学院さんには2月の近畿新人大会では勝ったけど、6月の近畿大会と9月のトップリーグでは負けている。試合中リズムが悪いときに、自分たちがもっと引っ張ってやらないとだめかなって思います。
堀内 インターハイは結果としては日本一になれたんですけど、初戦で岐阜女子さんに延長に持ち込まれるなど全試合、楽じゃなかった。まだまだやるべきことはあります。
ーーインターハイ、国体、トップリーグの3冠を取りました。追われる立場として、4冠へプレッシャーを感じていますか。
八木 プレッシャーは感じていません。トップリーグは全勝していないし、圧勝したわけでもない。集大成の大会で1位になるためにも、チャレンジャーとして臨みます。
堀内 インターハイとトップリーグは、まだチームが完璧ではなかった。特にトップリーグは色々なことを試す場だったので、ウインターカップで日本一にならないと意味がないと思います。
ーー高校生活で印象に残っていることは。
八木 一番記憶に残っているのは、1年時のウインターカップ決勝で桜花学園さんに57-61の僅差で負けたことです。1年の時から試合に出させてもらって、先輩の思いも背負っていたのに勝てなかったことが悔しかったです。
堀内 八木さんと同じです。インターハイでも準決勝で63-66で負けて、ウインターも桜花学園に負けてしまいました。
ーーよかった思い出は。
堀内 去年のインターハイ3回戦で、それまで負けていた桜花学園さんに65-63で勝てたのが、優勝したレベルでうれしかったです。
ーー試合後、宿舎でどう過ごしたか覚えていますか。
八木 校長先生(山本綱義コーチ)に怒られました。「自分たちが目指しているのはそこじゃない。その次の試合で負けたら桜花学園に申し訳ないから、絶対優勝しないといけない」って。
優柔不断な堀内「みんなが買い終わっていたら自分はあきらめて買いません」
ーー桜花学園と大阪薫英女学院に対する思いが伝わりますね。
堀内 今大会は両チームと対戦する可能性があります。薫英さんとは準決勝。最後の対戦で勝ちたい。決勝は桜花学園さんに勝って終わりたいです。
八木 薫英さんには絶対勝たないといけない。「3度目の正直」みたいな感じで勝ちたいです。
ーー個人的なライバルは。
八木 ブクロ(大阪薫英女学院の島袋椛)ですね。やっぱり、ブクロには負けたくない。
ーーブクロと呼んでいるんですね(笑)。堀内選手のこの1年での成長についても教えてください。
八木 以前はアシストがメインでしたが、自分でも点を取りにいくようになり、相手ディフェンスもどのタイミングでパスするか読めなくなって一層パスが出しやすくなったと思います。167cmの身長でもリバウンドに飛び込んでくる分、自分たちの攻める回数も増えました。
ーー堀内選手から見た八木選手の成長についても教えてください。
堀内 去年、U16アジア選手権に出場して、国内の選手とは身長などが全然違う中でプレーしたから、帰国後はフィジカル面ですごく成長していました。4番ポジションでリバウンドを取ってそのままプッシュしてシュートまでいけるのはすごいです。
ーーお互いプライベートではどんな人なんですか?
堀内 ご飯をこぼしたりして汚すのは直してほしいです(笑)
八木 優柔不断なんですよ。物を選ぶのにめっちゃ時間かかります。
堀内 コンビニでも買い物する時も、みんなが買い終わっていたら自分はあきらめて買いません(笑)。
ーーキャプテンの難しさは。
堀内 チームがよくない時や試合の流れが悪い時に声を掛けなければいけないのに、自分がそれをできなくて負けたこともあります。ウインターカップではそういったことがないようにしていきたいです。
八木 キャプテンだけに任せるんじゃなくて、自分も加わってチームをまとめられるようにします。
「ディフェンスが収縮した時の外のシュートが課題」
ーー今年のチームの強みと課題を。
八木 留学生も含めて全員が走ります。去年は自分がアウトサイドをやっていたんですけど、今年は中で攻めるのが一番いいと思うし、ディフェンスが中に集まってきたときのアウトサイドのシュートの確率を上げることが自分も含めてチームの課題です。
堀内 校長先生の指示を毎試合40分間、全員が徹底すること。ディフェンスで失点を抑えて、得点につなげることが大事だと思います。
ーー山本コーチには中高6年間お世話になっていると思います。
八木 ここまで成長させてもらえたのは校長先生のおかげです。自分のためを思って、叱ってくださるのも理解しているので、最後は校長先生に最高の景色を見せられるように頑張ります。
堀内 中学1年の頃から寮に入って、中学3年間は他の寮生と一緒に送り迎えなどもしてもらいました。中学1年時から試合に使ってもらっていますし、感謝しかないです。6年間で成長した姿を見せられるようしたいです。
ーー山本コーチ以外に感謝を伝えたい人は。
八木 一番は親です。毎朝自分たちよりも早く起きてお弁当を作ってくれて、送り迎えを毎日してくれた。反抗もしちゃってるけど、結果で恩返しします。
ーー最後に応援している方々にメッセージをお願いします。
八木 連覇は自分たちにしかできないので、チャレンジャーとして臨みます。上だけを見ていたら足元をすくわれるので目の前の試合に集中して、みんなで笑顔で終われるようにしたい。
堀内 目標の日本一を達成するためにキャプテンとしてチームを引っ張っていきます。優勝を逃した1年時の当時の3年生の思いも背負って優勝して終わりたい。今まで応援してくれた方々への感謝の気持ちが伝わるプレーをします。